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憤死 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2015/03/01 |
JAN | 9784309413549 |
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商品レビュー
3.7
75件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
冒頭のおとなから、ゾワっとする トイレの懺悔室は最初全然怖くないし何がどうなって怖くなっていくんだろうと疑問だったけどしっかり怖かった。サイコパスが友人にいるとかめちゃくちゃ怖い。そいつの獲物になったオチが絶望的。 表題作の憤死 怒りで死ぬことを憤死か、この作品は怖いよりすごく現実的な近い話な気がした。 だれもが自分の中でカーストを作って、態度を変えたりするのはいつでもどこでもある話だなぁと。 最後の人生ゲームはファンタジーかな?それこそ世にも奇妙なら最後にこういう話くるよな〜と読み終わった後思った。最後いい終わり方でよかったな
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短編集。冒頭に収録されている「おとな」はかなり短い話だが、インパクトは一番強かった。というのも、幼い子供の無知な部分を利用して性的な悪戯を働く大人が登場するからだ。個人的には読んでいて不快感極まる話だった。ただ、現代と違って昔は子供に対する人権意識が薄かったと思われるので、こうし...
短編集。冒頭に収録されている「おとな」はかなり短い話だが、インパクトは一番強かった。というのも、幼い子供の無知な部分を利用して性的な悪戯を働く大人が登場するからだ。個人的には読んでいて不快感極まる話だった。ただ、現代と違って昔は子供に対する人権意識が薄かったと思われるので、こうした行為が一部の大人達によって日常的に行われていた可能性も否めない。それを思うとなんとも残念な気持ちになる。 「トイレの懺悔室」はまさにドラマ「世にも奇妙な物語」にありそうな不気味な話だった。解説の森見登美彦氏が「好きな感じの怖い話」と述べられていたが、わたしも同じ感想を抱いた。故郷で行われていたとある地域行事。それを運営している地元のおじさんから、「大人になるために必要な儀式、洗礼を行う」と呼び出された主人公たち。あれから数十年が経ち大人になった主人公の前に、幼き日に行った「洗礼」の儀式が再びやってくる……。逃げ場のない薄暗い密室で、狂ってしまったかつての友にジワジワと追い詰められるシチュエーション。……これは怖い! また「人生ゲーム」もそれっぽい話ではあったが、明るめの結末で終わるので、読了後は少しの寂しさもありつつ、心が温かくなった。本の末尾に持ってくるには相応しい話だったと思う。ただ、彼らの「人生ゲーム」中に唐突に現れた、主人公を含む3人の未来を予言した謎のイケメン男子高校生の正体は結局なんだったんだ……。しかも現れるたびに勝手に牛乳を飲み干していく。牛乳好きの神?人生ゲームの付喪神?うーん、わからん! 個人的にお気に入りなのは「憤死」。デブで傲慢ちきだけど実家は裕福。話すことは大体が自慢話で、周囲の人間に気まぐれでお小遣いやかわいい雑貨を配る。そして放課後には大して上手くもなければ、聞きたくもないリサイタルをわざわざ披露してくる女友達の「佳穂」。主人公は作中で彼女のことを「女版のスネ夫」だと揶揄しているが、どう考えてもジャイアン要素の方が強くない?と思う。これは綿谷さんが意図的にミックスしたんだろうなあ。ユニークな演出に思わず笑ってしまった。 この話は自殺未遂を起こし、入院している佳穂を主人公が見舞うシーンから始まる。ちなみに佳穂と主人公の仲はめちゃくちゃ良いという訳ではない。地味な主人公とその特徴的な容姿や性格から人に好かれなかった佳穂が、学生時代にクラス内カーストで同グループになったことがきっかけで始まった縁である。つまり、所謂「ぼっち」を回避するために仕方なくコイツとつるむか……という感じの、打算に満ちた関係なのだ。この二人の微妙な関係描写には「うわ〜!女社会あるあるだ!」と心の古傷がジクジクと傷んだ。こういうのって、利害関係から成り立つ友情なので本当に一時的なものなんだよな。それでクラス替えや卒業等で接点がなくなるともう一切連絡取らなくなったりして……。今までそうやって途切れていった数々の人間関係を思い出し、頭痛を併発した。ウッ。 自身の太ましいボディを「セクシーな巨乳で巨尻」と表現するし、金持ちだけど既婚者の男と不倫していることをさも本気の恋愛をしているかのように話すし、飲食店で案内された席が気に食わなければ何度でも席替えを要求するし、佳穂はとにかく自己肯定感とバイタリティが高い。だから、いざその本気の恋愛をしていた男にフラれたとしても、悲しんだり病んだりはしないのだ。ならどうするのかというと、彼女の有り余ったエネルギーは、そのまま怒りに変換される。 病室内の佳穂は、自身の内に渦巻くやり場のない怒りをとにかく発散したい思いで、自宅のバルコニーから衝動的に飛んだのだと語った。自殺未遂と聞いて(多少は)心配していた主人公だったが、その話を聞いたあとは、今もなおエネルギッシュな佳穂と、なぜか陸遜や菅原道真など怒り余って「憤死」したと言われる歴史上の強者を脳内で重ね始めるのがなんとも面白おかしい。多分、「そっか!このメンタル強い女が失恋くらいで病んで飛び降りる訳ないか〜!安心安心!」という感じなんだろう。 主人公はとにかく作中で佳穂の容姿や性格を失礼なくらいにこき下ろすのだが、おそらく本質的には佳穂のことを嫌ってはいないし、むしろ好いているのではないかと思う。その証として、この話を〆る末文を紹介したい。 「お姫様、死ななくてよかった。人には嫌われるかもしれませんが、いつまでも天真爛漫でいてください。」 これこそが付かず離れずで長年保たれてきた、二人の関係を示しているように思う。女友達は、付き合っていてもちろん面倒なところもある。けれど、居てくれたらやっぱり嬉しいし、楽しいし、誰よりも心強い存在だ。主人公と佳穂の友情がこれからも末長く、愉快なものでありますように。
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解説にある通り『綿矢りさによる世にも奇妙な物語』だった。どの話もゾクゾクする。だけど読後感はそれぞれ違う。 表題作の『憤死』は、興味本位で自殺未遂をした同級生のお見舞いに行く話。綿矢りさ作品といえばこういうイメージを持っていたので、『トイレの懺悔室』『人生ゲーム』を読んで驚いた。...
解説にある通り『綿矢りさによる世にも奇妙な物語』だった。どの話もゾクゾクする。だけど読後感はそれぞれ違う。 表題作の『憤死』は、興味本位で自殺未遂をした同級生のお見舞いに行く話。綿矢りさ作品といえばこういうイメージを持っていたので、『トイレの懺悔室』『人生ゲーム』を読んで驚いた。どれも続きが気になってどんどん読まされた。すごい。
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