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重力の虹(下)
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重力の虹(下)

トマス・ピンチョン(著者), 佐藤良明(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2014/10/01
JAN 9784105372132

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商品レビュー

4.7

9件のお客様レビュー

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2025/05/01

なにしろ体力の要る本だ。古今東西あらゆる知識を闇鍋的に次々と投じ、それらすべてが繋がりを持っているかのような情景を幻視させ話が進んでいく。詩的かつ隠喩で覆われた文章はそれだけで難解なのだが、どこか軽やかでもあり、場面によって高低差が激しい。 話が直線的に進み始める2章以降はだいぶ...

なにしろ体力の要る本だ。古今東西あらゆる知識を闇鍋的に次々と投じ、それらすべてが繋がりを持っているかのような情景を幻視させ話が進んでいく。詩的かつ隠喩で覆われた文章はそれだけで難解なのだが、どこか軽やかでもあり、場面によって高低差が激しい。 話が直線的に進み始める2章以降はだいぶ理解しやすくなるものの、それは1章から見ての相対的なものでしかなくやっぱりむずい。なおかつ語られる内容はスカトロ、SM、大乱交なんかを含んだお下劣でおバカなものでもあるため、ただ「筋を追う」ってことを完全に拒むような作りになっている。 逆に言うと、わかりやすい理解を拒むその姿勢こそが、この小説の在り方とも言える気がする。さらに、書かれたすべての事象をバカバカしいものとし、「後はご自由にどうぞ」と言わんばかりに余地だけ残して投げだすのもこの作者らしいと言えばらしい。そう、つまりこれは拒絶と悪ふざけの集合体小説。 モノも人も突然どこかで発生するわけではなく、さまざまな場所、長い時間を経て、その素材が集められ、ひとつの形を成し、いまそこにあるものとして顕現している。 いずれ、モノはモノとして人は人として、あるべき場所、あるべき人生をたどり、その命が尽きるとき、形は崩れ、存在が解体される。 『重力の虹』が描いているのはそのサイクルなのだろう。 浸透と、拡散と、希薄化という。 もしかしたらこれは青春小説なのかもしれない。まだ不安定な自我が出会いによって規定され、様々な冒険の末に豊かで美しく輝いていた時代が終わりを告げ、希薄化していくという。 その煌めく時代へ、ありったけの愛を込めて、言葉によって紡がれた歪なにかの塊――それが『重力の虹』なのかもしれない。 ちなみに私がもっとも好きな章は第3部25章。プレンティスを一応の視点人物とし、彼の罪の意識を反映させながら、地獄巡りのような、屍者たちとの饗宴のような、妄想とも現実ともつかない混沌としながらも歓喜をともなう光景が延々描写されていき、現代を舞台とした『神曲』の様相を呈す。 映画であれ、文学であれ、すべては他愛もない妄想やでっち上げの虚構ではあるが、この百科全書的迷宮には外側の世界を解体し、脱構築しようとするような、力強い叫びが閉じ込められているように思う。 その全てに意味を持たせ、しかし制約するような状態には置かず、それぞれの重力が可能性を持つような、無限に自由な構造が。そして各々がその重力を感じ取る限りにおいて私たちの愛は死に絶えることがなく、あの、”空を裂く一筋の叫び”は、いまこの時も、絶え間なく互いに影響を及ぼし合っている。

Posted by ブクログ

2024/06/06

After Love, then Byron's next lesson is silence. ノーランの『オッペンハイマー』を同時期に観たので、重なるイメージがたくさんあった。「アメリカは原爆を戦争を終結させた良いものととらえている」というよく言われる話は、ど...

After Love, then Byron's next lesson is silence. ノーランの『オッペンハイマー』を同時期に観たので、重なるイメージがたくさんあった。「アメリカは原爆を戦争を終結させた良いものととらえている」というよく言われる話は、どこから出てきた話だろう?って思うくらい、どちらの作品もじゅうぶんにアメリカ内部から疑問を投げかけているように思います。 佐藤さんの翻訳でなければ全然読めなさそう笑

Posted by ブクログ

2023/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

評価はできません。 すごいものを読んだ、という自己満足と驚きで頭がいっぱいの状態です。 数々の登場人物、入り乱れる時制と主語と舞台。 猥雑さだけではなく、映画初期や舞台当時の映画作品の数々の言及。見られない作品も多いけれども、ピンチョンのルーツを辿るという意味では興味深いところもたくさんあり。 いくつかピンチョン作品は読んできましたが、質、量ともに最高作ではないかと。 たぶん戦争、欧米植民主義へのアンチと皮肉について延々と書いてあるのでは…と自分の中で納得してからはどんどん読み進めることができました。(その見方があってるかはさておき) 商業化全無視、人力Wikipediaの世界にどっぷりと浸りたいのであれば強く強くお勧めします。

Posted by ブクログ