個人的には1巻より読みやすかった。 主人公佐々目の性格がマイルドになってきたというか、協調性や、人の気持ちを考えて行動、発言をするようになってきたのがよかった。 角のある主人公は、あんまり応援とかできない。話が進むにつれ、佐々目がいい料理人に成長していくのだと思うと、もう少し見ていたくなる。 大袈裟とかではなく、出てくる子どもたちはどこの学校でもいると思う。色んな境遇の、ドラマみたいな経験をしてきた子もたくさんいる。そんな子どもたちが給食をきっかけに元気になれることを願うばかり。

「春 ブイヨン」 特別な朝ごはんを。 どうしても癖になってしまったことを辞めれないだろうが、誰かが手を差し伸べてくれるだけで変わるのかも。 上手くやっているというよりかは、どれだけ自分に都合よく物語を作るかではないか。 「初夏 ショコラ」 呪いを解くために。 自分達に出来ないから、からかっているつもりだとしても当人が虐めと感じたら何を言おうが答えは一つだろ。 どれだけ訴えたとしても、結果が分かりきっていれば諦めてしまうのも仕方ないだろ。 「夏 タイミング」 終わりを告げる日。 一人で抱えて問題解決の方法も見つからず考え続けた結果、慣れてしまい余計に収集が付かなかったのかもな。 ただでさえ言いづらい話題を、親身になってくれた相手に話すのは辛い事だったろう。 「初秋 メニュー」 復帰するためにも。 履歴書に書かれた過去は変えることは出来ないが、どんな人なのか紙切れ一枚で判断するのはどうなのだろう。 素直でないのか本気か分からないが、言葉の選び方に悪意を感じても仕方ないのでは。

それぞれの環境の中で、戦う子供たちをどう支えるのか、本当に大人は試されてると思う。食べる事に重きを置かない親がいるのも事実なので、そこは踏み込みのが難しいんだろうな、と痛感する。いじめられっ子には給食の時間は辛さしかないのは、私にも覚えがあるから分かる。両方の立場で。食べることが、誰もが楽しく幸せな事になればいいのにな。軽い作品に思われがちな表紙だけど、読後は割と重いです。