たとえ打ち切りフラグがばりばり立っていても、終盤が駆け足のダイジェストでも、面白いものは面白い。ってことで「ひろしま」待望の2巻。ほんとうに続刊が出るとは思っていなかったから、本屋さんで見つけた時は嬉しかったなー。待ちきれずネットで感想を漁ると打ち切りだとかなんとか不穏な噂ばかり。かなり覚悟をして読み始めたのだけれど、面白かったです。 前半の海と遊園地デートはいわば日常パート。1巻ラストで加熱した頭を冷やしてくれる。この世界にいないはずの竜が襲撃してきてからが本領発揮。燃える戦闘パート。この作者、戦闘シーン書くのうまいな！勢いのある戦いにぐいぐい引っ張られる。魅力的な敵に、そんな敵と協力するシーンに胸が熱くなる。ラプター将軍もジョンもバネッサもいい奴だった。魅力があるから大将に収まって。ただ殺戮するだけの敵ではなかった。あくまでも人殺しをしない、したくないとするカトリーナの決意も見えて良かった。あのヒラヒラ服の理由もあって良かったｗ しかし、美猫の独白から物語はダイジェストとなる。なんとか説明だけでは終わらせていないが、決着がつく前にページがなくなってしまうのではと読んでいてハラハラした。犬斗の説明台詞も大概だが、それでも読ませてしまうのはこの物語がそれだけ魅力的だったからだろう。かの「ゼロの使い魔」のように十何巻も重ねてもいいから丁寧にしっかり書いて欲しかった。筆者の力量の問題ではなく、編集の都合なんだろうけど。同人誌でもいいからちゃんとした物語として読みたかった。アンケートか、アンケートを書かなかったのがいけないのか!?力量は十分あると思うんです。キャラクターも悪くないと思うんです。何より設定と普通に考えたらくっつけたらばまずいものを融合して道具にする手腕は誰より優れていると思うんです！本当に勿体ない。楽しみにしている読者がいることを忘れないでいただきたい。女の子ときゃっきゃするハーレムラブコメではない、なにかをもった作品を次も待ってます。