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刑事の子 光文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2013/09/10 |
JAN | 9784334766276 |
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商品レビュー
3.4
71件のお客様レビュー
宮部みゆきさんの小説が読みたくなって、まだ読んでいなかったコチラを読みました。 比較的初期の作品だと全く知らずに読みましたが、やはり読みやすいし好きな感じでした。
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1990年初出の「東京下町殺人暮色」の改題・新装版。初読みだった。 最近では宮部さんの現代ものは杉村三郎シリーズくらいしか 読んでいないので、初期の現代ものは新鮮。 ただ現代とは法律が変わっているので時代を感じる部分もある。 タイトル通り、主人公は刑事の息子で中学生の八木沢順。...
1990年初出の「東京下町殺人暮色」の改題・新装版。初読みだった。 最近では宮部さんの現代ものは杉村三郎シリーズくらいしか 読んでいないので、初期の現代ものは新鮮。 ただ現代とは法律が変わっているので時代を感じる部分もある。 タイトル通り、主人公は刑事の息子で中学生の八木沢順。刑事である父親はバラバラ殺人事件の捜査に携わり、息子の順の方は町内のある家で人殺しがあったという噂の調査に取り掛かる。 勿論この二つはどこかでつながることになるのだろうと楽しみにしながら読み進めた。 宮部さんの作品ではこのところ追いかけている時代物の三島屋シリーズでは恐ろしく理不尽な事件と、温かくのんびりした部分とが同居していて不思議な感覚になることがあるが、この作品ではその原点を見た感じ。 こんな残酷なことがある一方で、別のところでは誰かのために一生懸命になったりほのぼのとしたり、のんびりしていたり。 父子家庭の八木沢家が雇った家政婦・ハナさんと順とのやり取りはほのぼのしているが、ハナさんは長年様々な人たちを見てきたこともあって勘が鋭い。 順と友人の慎吾との調査は少年探偵団っぽいところもあれば、うわさの家の家主で画家の篠田とのやり取りは温かい部分とシリアスな部分とがある。 事件の方も短絡的直情的と思われる部分もあれば狡猾だったり計画的だったりというところがあって不思議な感覚に陥るのだが、その理由は真相が明かされてなるほどと分かる。 もう一つ、この作品に重要なキーとなるエピソードがある。篠田の代表作『火炎』のテーマとなった東京大空襲だ。順にとっては歴史の教科書でしか知らない出来事だが、実際に体験した者が登場しその強烈な体験が半世紀以上経ったのちにも続いているということが伝わってきた。 個人的にはもう少し掘り下げて欲しかった部分もあったが、やはり宮部さんの作品はテンポよく読める。
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