1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 書籍
  • 文庫

紅梅 文春文庫

津村節子【著】

追加する に追加する

定価 ¥495

¥220 定価より275円(55%)おトク

獲得ポイント2P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2013/07/10
JAN 9784167265144

紅梅

¥220

商品レビュー

4.1

11件のお客様レビュー

レビューを投稿

2022/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ー臨終まですら愛ー  夫婦ともに小説家の育子の夫が癌になる。  入退院、検査、治療、療養と人は簡単には死ねるはずもなく。看病する方も、ひしと迫りくる患者の死の前にひたすらに生きるしかない。  しかし、育子は、小説家であり、夫の看病に充分に注力できない。  闘病と看病とは、交わりがたい個人の営みであると同時に、血のつながらない二人がもっとも自身を繋げていく過程でもある。  つまりは愛。  臨終とは、この世の愛の総決算なのかもしれない。  夫の死を見つめる視線も、鋭く描写される。死は誰にとっても等しく未知。遺言をしたため、土地や家財、関係各位の人への対応、葬式の段取りなど、詳細に描かれていたのを読むのは初めての事だったので、死すら、個人的なイベントではなく、公のものなのかと思うと、なんとなく社会生活のイベントの一つのようなきがして、ニュースに流れる、恐らく昵懇ではない、ほぼ他人の死を、肉親の死と言わんばかりの悲し気な表情で知らせるニュースのアナウンサーほど嫌気がした。  そんな背景からも、育子にとっての臨終と、看病生活は、ひと時、夫との私的な時を過ごせた時間なのだろうと思うと、二人の愛が嚙み合ったり、すれ違ったりするさまは、どんな夫婦にも、どんな二人にも当てはまるのだろうなぁと感慨を受けた。

Posted by ブクログ

2021/10/04

この本を読む前、ご主人の吉村昭さんの「冷い夏、熱い夏」を読みました。 弟の凄絶な癌の闘病や死を書いた吉村さんが、ご本人が癌になった時、どう向き合ったのか知りたくて手に取りました。 この本は、同じ作家であり、吉村昭さんの妻である津村節子さんの目から見た、吉村さんの癌発覚から最期の...

この本を読む前、ご主人の吉村昭さんの「冷い夏、熱い夏」を読みました。 弟の凄絶な癌の闘病や死を書いた吉村さんが、ご本人が癌になった時、どう向き合ったのか知りたくて手に取りました。 この本は、同じ作家であり、吉村昭さんの妻である津村節子さんの目から見た、吉村さんの癌発覚から最期の様子を記した本です。 吉村さんは、辛い症状に苦しんでいたかもしれないけれど、病気を受け入れて、自分なりの死生観を貫いて、とても落ち着いて亡くなったのだなと思いました。 最期の最期の行動は、衝撃的だったけれど、本人にとっては一番納得のいく方法だったと思うし、それを受け入れた奥さんと娘さんも素晴らしいと思います。 日記に書かれていた奥さんに対する短い言葉に、感動もしました。日記、ちょっとつけたくなってしまいます。 淡々とした文章なのに、伝わってくる想いは大きくていい本でした。

Posted by ブクログ

2021/04/25

吉村昭が好きで、よく作品を読んでいる。若いころ結核で死を宣告されたも同然の時期があり、吉村昭の死への思いはとても強い。 その作家の最期はすさまじく、自分で呼吸器を外しての死だった。自分で安楽死した、というと語弊があるかもしれない。 その光景を見た妻がどう感じていたのか知りたくて購...

吉村昭が好きで、よく作品を読んでいる。若いころ結核で死を宣告されたも同然の時期があり、吉村昭の死への思いはとても強い。 その作家の最期はすさまじく、自分で呼吸器を外しての死だった。自分で安楽死した、というと語弊があるかもしれない。 その光景を見た妻がどう感じていたのか知りたくて購入したのだが、ここに現れない様々な苦労が滲んでいて、読み進めるのがつらかった。 あの年代だから、女性が作家として生きていることへの後ろめたさ、でも作家として生きていること、夫への思い、そしてそれらに全部寄り添ってきた夫。 うらやましい夫婦であると同時に、吉村昭は彼の作品にあるような死生観を、そのまま自分の最期に実行させたこと、そしてその現場の凄まじさ…言葉もない。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品