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コリーニ事件

フェルディナント・フォンシーラッハ【著】, 酒寄進一【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2013/04/12
JAN 9784488010003

コリーニ事件

¥220

商品レビュー

3.8

60件のお客様レビュー

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2024/05/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

単純な殺人事件と思われた事件の影から、ナチによる戦争犯罪が姿を現す法廷サスペンス。 著者シーラッハは弁護士でもあり、また、祖父がナチ党全国青少年最高指導者でもあったという背景もあるせいか、淡々とした筆の中にも常に寂寥とした空気を感じさせる。そして、その分、主人公ライネン弁護士が真理に辿り着くシーンの熱が際立っている。 「彼は何年にもわたって教授の講義を聴いてきた。法文を読み、教授たちの解釈を学び、刑事訴訟を理解しようと努めてきた。だが今日、自ら発言しながらはじめて、問題はまったくべつのことだと思い至った。問うべきなのは、虐げられた人のことなのだ」 平易な文体ながら(もしくはそれも相まって)、法よりも「社会を信じている」というこの作品全体に流れる思想と、その力強さを感じさせて胸に迫る。

Posted by ブクログ

2023/11/02

67歳のイタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕される。この事件の裏にはある真実があった。 なるほど、ドイツらしい小説である。法廷劇はスリリングで読み応えがあるし、200ページに満たない短い作品なのに読み応えは抜群。謎解きとしてもそうだが、人間ドラマとしても素晴らしい。良い一冊だ。

Posted by ブクログ

2022/10/13

短編集よりは、長編になっている分、いくらか濃縮感は薄くなっていて、短編より読みやすく、一気に読んでしまった。ドイツの歴史の闇が深く差しこんでくる。翻って日本はどうなのか、こういう小説があったろうか。 2001年、ベルリン。弁護士になりたての私ライネン。大金持ちの実業家老人を殺し...

短編集よりは、長編になっている分、いくらか濃縮感は薄くなっていて、短編より読みやすく、一気に読んでしまった。ドイツの歴史の闇が深く差しこんでくる。翻って日本はどうなのか、こういう小説があったろうか。 2001年、ベルリン。弁護士になりたての私ライネン。大金持ちの実業家老人を殺した男の国選弁護人を引き受ける。冒頭に犯人コリーニ67才がその実業家を殺す場面が描かれる。銃で殺したあと死者の顔をかかとで踏みつけ、じっと見つめると、そのうちやめられなくなり、何度も踏みつけた・・ この場面は、最後にコリーニの故郷イタリアでの少年時代の出来ごとが弁護士ライネンによって明かされると、意味をもってくる。 また後半、ライネンの弁述の場面、ドイツの法律の事がでてくるが、この法律も作成者も実存するものだ、というのが、おおーという感じだ。うーん、歴史の闇といってもいいのでは。被害者老人とは実はライネンの友人の祖父で、ライネンも少年時代かわいがってもらった、という設定。こうなると、被害者の歴史ともかかわってしまうのか、と思うが、その友人の姉が、つまり被害者の孫が「わたし、すべてを背負っていかないといけないのかしら?」とライネンに尋ねるが、ライネンは「きみはきみにふさわしく生きればいいのさ」と言う。若い世代としては、過去をふまえつつ、こう生きるしかないだろう。 著者のシーラッハは1964年生まれ。祖父はナチス政権でナチ党全国青少年指導者。ニュルンベルグ裁判で刑を言い渡され1966年に刑期満了し出所した、とあった。ミッション系エリート校の出身だが、同級生には祖父がナチの高官だった者が何人もいたとあった。短編集「罪悪」の中の「イルミナティ」の舞台の学校のようだ。 ☆早川海外ミステリハンドブック2015:英米圏以外のミステリ 2011発表 2013.4.15初版 図書館

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