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目立たぬものの精神病理

ヴォルフガングブランケンブルク【著】, 木村敏, 生田孝【監訳】, 小林敏明, 鈴木茂, 渡邉俊之, 和田信【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2012/09/26
JAN 9784622076636

目立たぬものの精神病理

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2013/07/13

ビンスヴァンガー等の流れに連なるブランケンブルクは、フッサール、ハイデッガーの影響を受けつつ精神病理学、「人間学的精神医学」を展開する。 現存在だの時熟だのという言葉が飛び交う彼らの書物は、医学というより亜流の哲学ではないか、机上の空論ではないか、という批判にさらされかねないかも...

ビンスヴァンガー等の流れに連なるブランケンブルクは、フッサール、ハイデッガーの影響を受けつつ精神病理学、「人間学的精神医学」を展開する。 現存在だの時熟だのという言葉が飛び交う彼らの書物は、医学というより亜流の哲学ではないか、机上の空論ではないか、という批判にさらされかねないかもしれない。けれども、彼らはみな臨床医であり、直接統合失調症、妄想症などの患者らと接する中で、こうした思考を深めてきているのである。 私にとって最も親しみ深い木村敏氏の著作ではあまり出てこないハイデッガーの用語が、本書では縦横無尽に駆使されている。そのせいもあり、また、どうやら著者があまりわかりやすい文章を書く能力を持ち合わせないこともあって、巻頭から、本書の難解さに目がくらむようだった。 「これは最後まで読み切れるかな?」と案じたが、超難解なのはとりわけ冒頭の論文「あるテーマが妄想へと独り歩きをすること」であり、これさえ何とか乗り越えれば、だんだん読みやすくなっていく。 私には「コモン・センスの精神病理学への手がかり」と「精神医学における弁証法的な見方はどれほどの射程をもつか」の両論文が最も面白かった。 時代はこのような思弁よりも、病理の器質的解決を望んでいるように見え、特によくわかってない素人は薬で何でも解決するなどと考えがちであるようだが、実際に臨床の現場で鍛えられた本書に見られる思考の世界は、決してあなどるべきではないだろう。 実地の「治療」にどの程度こうした思想が役立つのか、私などには計りようもないけれど、真摯で異様な「ある思考」の衝撃を、これを読んで体感し、さまざまな連想へと誘われることは確かだ。

Posted by ブクログ

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