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フリーター、家を買う。 幻冬舎文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2012/08/02 |
JAN | 9784344418974 |
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商品レビュー
4.1
552件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
主人公の誠治、がんばれ!と応援しながら読んだ。 母親が精神的な病にかかったことをきっかけに、見向きしてこなかった家族・逃げてきた再就職に向き合い、試行錯誤しながら理想を求めて努力するお話。親の脛を齧り、プライドが肥大化していた25歳無職青年の成長が描かれる。 自分のこれまでの人生と、家族を取り巻く環境と、母親の現状、姉からの鋭い警告、理解のない父親に囲まれた誠治は、母親の看病をしていく中で、母親の病気に理解を深め支えるとともに、拗れた父親との関係にも自分と似た部分を知ったことで歩みを寄せ、改善していく。解説を読んで、誠治が母も父も救った、というのにとても納得した。 他に印象に残ったことを記述する。 ◎誠治の業務係主任について ITの知識を駆使して大活躍する姿は爽快だった。特に、採用担当としての腕前は光っていた。「お前のようなやつが欲しい」との依頼に対し、自分を分析し、「新卒お断り!第二新卒・フリーター歓迎!」と打ち出したのである。選考する時には、「フラフラしてた時代の自分のような人を落とせば良い」と、当時の自分が流れ着きそうな楽なルートを用意しておき、当時の自分がしていた悪手をとる就活生を落選させた。これまでの経験を活かした採用の取り組みが潔くて鋭くて気持ちが良かった。 ◎新採用の二人について 新しく採用されたのはコミュ強の豊川と、女性の千葉。二人がそれぞれの良さを発揮して会社で活躍することで、誠治の採用が正しかったと裏付けされるようで嬉しかった。二人の人柄は会社に新しい風を起こしたと思う。二人がそれぞれ誠治の家族について「間に合っている」と背中押したのも印象的だった。誠治と千葉ちゃんとの色恋描写は、最初出てきた時に突発的に感じられたけれど、After storyを読めば納得。素敵な二人を応援したいと思えた。 ◎誠治の就活について 医療品メーカーの専務の方が、誠治が面接を辞退したのにも関わらず話を聞く時間を設けてくれたことがとても素敵だと思った。誠治の話をしっかり最後まで聞いてくれること、誠治が思わず本音で話してしまうような向き合い方をしていたことが素晴らしいと思う。 誠治の土木会社のおじちゃんたちが、父親と同年代でもより尊敬したいと思えたのも共感した。相手を偏見で決めつけたりしないで、努力している人を素直に評価できる、自分の欠点をそうと受け入れ、柔軟に考えを改めることができる人たちだった。自分もそういう人でありたい。 ◎誠治の家族について 母は、二十年間もの間一人で地域からのいじめに耐えてきた。相当苦しいと思う。すごいこと。 父は仕事ばかりしてきた結果、家族に見返らない不器用な人なのだと思った。最後には誠治とも打ち解け始めて安心。 姉は母の唯一の理解者で、強くて芯のある人物。家族の誰とでもまっすぐにぶつかって行ける人。100万円をどかんと置いて行ったのもかっこいい。 誠治は、家族に恵まれていると気づくことができた素直な人。最初こそ全然ダメだったけれど、心を入れ替えて頑張れた誠治はかっこいい。 全体的に心が苦しい話だけれど、再構築ができる希望や、変われるという望みが見えるお話だった。
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おもしろかった。 うつになってしまったお母さんの描写がけっこうリアルで怖くもあり・・・理解のないお父さんにも、その年代なりの理由や、誰もが心のスミで思ってしまいそうなことが中心に来ているだけなんだったりして、いちがいに責められないと感じた。 ダメダメな誠治だって、もしかしたらちょ...
おもしろかった。 うつになってしまったお母さんの描写がけっこうリアルで怖くもあり・・・理解のないお父さんにも、その年代なりの理由や、誰もが心のスミで思ってしまいそうなことが中心に来ているだけなんだったりして、いちがいに責められないと感じた。 ダメダメな誠治だって、もしかしたらちょっと運が悪かっただけかもしれない。場所さえあれば、こんなふうに輝き始めることができる。キモチがないわけじゃないのにチャンスがないせいでキモチがしぼんでいくフリーターたちは、きっと少なくないんだと思う。正社員になれた人と大きく違うわけじゃ、ない。その小さな違いが大切なんだという見方もできるけれど・・・。 正社員になるための活動をもうずっとしていないから、今どんなふうか分からないけれど、転職・就職しやすくなっていく方向へ動いていればいいなぁ。新卒として会社を探す人たちは、何の経験もないのに外から分かることばかり研究して、へんな人事に対抗するための、そのときしか役に立たないやり方を身に着けて・・・それってやっぱり変だと思う。本当はもう少しやりたいことがあるかもしれない、試したいことがあるかもしれない、でもそれをやってからでは就職しづらいと考えるから、あきらめる。それで入ったところが合わなくて辞めて不安定になる・・・そんな悪循環が改善されているのだろうか。人生80年以上、定年もとっくに60以上になっている時代だ。30歳あたりを新人として受け入れるくらい、柔軟なものになっていてほしいものだけど。
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夢を持つことも大切 だけど、やりたいことだけをやるのではなくて、 自分が今できることを確実にやる。我慢して踏ん張るのも大事。 常に相手や周りのことを考える。 失敗や自分のだめなところに蓋をせず、きちんと向き合う。諦めない。 簡単にはできないけど、続けていけば今よりもっといい人間に...
夢を持つことも大切 だけど、やりたいことだけをやるのではなくて、 自分が今できることを確実にやる。我慢して踏ん張るのも大事。 常に相手や周りのことを考える。 失敗や自分のだめなところに蓋をせず、きちんと向き合う。諦めない。 簡単にはできないけど、続けていけば今よりもっといい人間になれる、生き方の教科書みたいな本だった。 誠治と同じ年齢、似たような状況だからこそより感情移入できた。
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