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ひらいて

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2012/07/30 |
JAN | 9784103326212 |
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ひらいて
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商品レビュー
3.7
223件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「存在するだけでわたしの胸を苦しくさせる人間が、この教室にいる。さりげないしくさで、まなざしだけで、彼は私を完全に支配する。」 綿矢りささんの『ひらいて』の出だしは彼の瞳について、そのあとにこの文章。 一気に高校時代の、彼が瞼の裏に出て来てわたしの胸も苦しくなった。あの頃のわたしは彼の行動を一秒たりとも見逃したくない気持ちでいっぱいだった。だから、10年以上たった今でもいまだにクセのある立ち方を覚えていたりする。 目が合うだけで死にそうなくらい恥ずかしくて、廊下ですれ違ったり窓から体育の授業をしていたり、部活している姿が見れるととっても幸福な気持ちになった。彼の声もしゃべり方も日に焼けた肌も茶色い瞳も全部がわたしをドキドキさせた。彼はしゃべっているときに人を見るくせがあるのか、見つめられたときなんかは体中が心臓になったかのように大きくドクンドクンと脈を打ち、一気に体温があがり汗をかいた。 こういった恋は高校を卒業してこれっきりになってしまった。 『ひらいて』でも、「今しかこの恋の真の価値はわからない。人は忘れる生き物だと、だからこそ生きていられると知っていても、身体じゅうに刻み込みたい。一生に一度の恋をして、そして失った時点で自分の稼動を終わりにしてしまいたい。二度と、他の人を、同じように愛したくなんかない。」と書いてありとてつもなく共感してしまった。 彼がとてつもなく素晴らしいからこんなに好きになった、わけではないのは自分でもわかっている。たぶん、色々重なったからだ。高校生という恋がしたいお年頃で、家庭環境から来る妙な孤独感、最初の印象が悪かったのに急に良くなったギャップ、弱っていた時に心配してくれた、接点がそれなりにあった、とかいろいろ重なってそれがたまたま彼だったんだと思う。好きになったのが彼じゃなかったとしても、こんなに幸も不幸も1人の人に対して感情が動かされて、その人に会えるだけで一日浮足立てて、どうしたらこっちを見てもらえるか考えたり、友達と相談しあったり、貴重な経験ができたなって思う。その人中心に世界が動いている、そんな恋は辛かったけど楽しかったな。 もうこれほど人を好きになる、というかここまで自分が引っ張られる感覚はないと思う。「相手がいて、自分が存在できる」のではなく「自分があって、相手がいる」そんな恋愛というか人間関係になっている。 最後に、『ひらいて』というタイトルは心をひらいて、という意味みたい。
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綿谷りさ さんの作品久しぶりに読む。 凄い。感性なのか、その捉え方なのか、表現なのか。 20年『前蹴りたい背中』ではこの鋭さに気づけなかった。 そして今NHKの聞き逃しで『コタツのUFO』を聴いている。
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感情に名前を付けるのは難しいと思う。恋やら愛やらみんな言うけど、私には簡単に自分の感情に名前をつけるのは難しい。人に決められたくもない。 この主人公はかなり頭がいっちゃってる感じの子だったけど、これはもはや恋なのか? こうやって難しく考えちゃうから恋愛がまともにできないのかな泣
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