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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/06/23 |
JAN | 9784062170284 |
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商品レビュー
3.5
14件のお客様レビュー
1970年11月25日、三島由紀夫は市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺した。本書はその自決が未遂に終わり、彼が現代に生きていたら……という世界線のフィクションである。 このような想像、いや妄想は、三島の読者なら誰しも一度は考えたことがあろう。ただし本書は、「もしも三島が存命だったら、...
1970年11月25日、三島由紀夫は市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺した。本書はその自決が未遂に終わり、彼が現代に生きていたら……という世界線のフィクションである。 このような想像、いや妄想は、三島の読者なら誰しも一度は考えたことがあろう。ただし本書は、「もしも三島が存命だったら、きっとこうであろう」という内容ではない。むしろ、三島が絶対にやらなそうな三島由紀夫像と言ってよい。 まず、80代の三島はもう小説を書いていない。東京西郊に建てさせた自宅で隠遁生活を送っている。その風貌は平凡で特徴がなく、まるで太宰の人間失格のごときである。夭折を天才の幸運などと呼ぶのは俗悪であり、人生の凡庸さを呪い剣道やボクシングに勤しんだことさえ青臭さと一蹴する。太陽と鉄ではなく、月と骨。極めつけはラストの殺人事件である。あろうことか、本書はミステリなのだ。 三島由紀夫はなぜ死ななければならなかったのか。それは永遠の謎解きである。だが、この本は逆説的な形でそれにひとつの答えを提示したのかもしれない。したがって、「こんなのは三島由紀夫じゃない」という慷慨は、まったくもってその通りなのである。
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「不可能」(松浦寿輝)を読んだ。 うーん、これはかなりやばい問題作だな。 (って、すごく面白かったのだが) 内容には触れない方がよいだろうと思う。 イメージは、混沌・不条理・禍々しくも耽美な情景、等々。 この作品の重要な役割を担うのが三島由紀夫なんだが、考えてみると(考え...
「不可能」(松浦寿輝)を読んだ。 うーん、これはかなりやばい問題作だな。 (って、すごく面白かったのだが) 内容には触れない方がよいだろうと思う。 イメージは、混沌・不条理・禍々しくも耽美な情景、等々。 この作品の重要な役割を担うのが三島由紀夫なんだが、考えてみると(考えてみるまでもなく、か)三島由紀夫を好んで読んではこなかった私である。 あらためて読んでみるのも良いかもな。 気になった文章を二つだけ引用。 『しかし美とはそれをじっと見つめて長くは耐えていられないからこそ美なのだった。』(本文より) 『救済などという言葉がアイロニー以外の意味を持ちえないのは火を見るよりも明らかだった。』(本文より) たぶん何度も読み返す作品になるだろうな。
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最終章はやや興醒めであった。まさに「ザ・純文学」。読みごたえがある。三島由紀夫をモデルだ。老いとは何か考えられさせた。考えると余計にわからなくなる。そんな体験をした。装丁にも怖い凄みがある。首なしモノクロに「不可能」の文字である。松浦の本の装丁は独特のものがある。特に『半島』は素...
最終章はやや興醒めであった。まさに「ザ・純文学」。読みごたえがある。三島由紀夫をモデルだ。老いとは何か考えられさせた。考えると余計にわからなくなる。そんな体験をした。装丁にも怖い凄みがある。首なしモノクロに「不可能」の文字である。松浦の本の装丁は独特のものがある。特に『半島』は素晴らしい。
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