キャラクターデザインをする機会があり、私がとくに記憶に残ってるキャラクターって誰だろうと思案したときに一番に浮かんだのがカクカクシカジカ。チーバくんやSuicaペンギンも同じ方がデザインしていたとは露知らず、一瞬で虜になり購入。内容は個人の案の固め方よりワークフローや展開の紹介が目立ち、求めていたものとは少し違ったけどキャラクターの裏話や彼女のていねいな仕事の向き合い方を知ることができて良い本でした。

Suicaのペンギン、カクシカ、チーバくんなど、シンプルで素朴なデザインを手掛けるこの人が絵本作家だなんて知らなかった。 それはともかく、本書はイラストから受ける印象通り、文量も多くなくさっぱりとした文体で読みやすい。 変に気取らず淡々と事実を述べるだけだが、坂崎千春という一種のブランドを保っているように感じられ好印象だ。 キャラデザ依頼に対するスタンスの話がメイン。 描き方も少し載っていた。イラレのデジタル線だけかと思っていたけど、手描きでラフやトレスをし、PCに取り込んた後も手描きで微調整していたり、シンプルに見えて工数がかかっている。 彼女のキャラクターデザインには無二の魅力があるが、この本には「独力」というよりむしろ「協力」的な工程が書かれている。 広告代理店やアートディレクターなどスタッフに揉まれながら出来上がり、そして成長してゆくのだと。 キャラクター毎に依頼から納品までステップが書かれている割に、どれも製作期間が書かれていないのが惜しい。 得意を伸ばす、あとがきの言葉がとてもよかった。