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ラットマン 光文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2010/07/07 |
JAN | 9784334748074 |
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商品レビュー
3.8
509件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
四人組バンドのギターの姫川亮はある日付き合っている彼女のひかりがライブハウスの中で死んでいるのをバンド仲間たちと発見することになる。亮はひかりに対して殺意を抱いており、亮の視点が多かったため「倒叙ミステリーかな?」と思い読んでいたが、「ひかりの妹の桂がひかりを殺し、亮はそれを隠蔽しようとした」という事実に驚いたかと思えば「実はライブハウスのオーナーである野際がひかりを殺したこと、桂は亮がひかりを殺したと思い込んでいたこと」が真相だったことに「どんでん返しと伏線回収のミルフィーユだ。」という興奮と同時に「それ差し引いても純粋にストーリーが面白すぎる。」という二つの満足感があった。また、エピローグで明かされる亮姉の事故死の真相は「なんて哀しくて残酷な真相なんだ。」と愕然としたと同時に「この作品のタイトルはこれ以外あり得ない。」と納得できるものだった。
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ストーリーは高校時代からのバンド仲間との主人公が30歳ぐらいになった時の事件簿。 それぞれの目線から立つと、そーゆーことだったのかー!と思える作品で、まさにタイトル通りです!こいつかーと思ってたら、え?え?じゃー、この人?みたいな。 イヤミスの女王っているじゃないですかー? ...
ストーリーは高校時代からのバンド仲間との主人公が30歳ぐらいになった時の事件簿。 それぞれの目線から立つと、そーゆーことだったのかー!と思える作品で、まさにタイトル通りです!こいつかーと思ってたら、え?え?じゃー、この人?みたいな。 イヤミスの女王っているじゃないですかー? 道尾さんも、イヤミス系ですか?2作品読みましたが、どちらもスカッとはしないけど、すごく面白いです!
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人間とは身勝手なもので、哀しい歌や哀しい詩に心地よく酔うことができるのは、自分自身の心が落ち着いていて、なんの問題もないときだけなのだ。本当に哀しく、心が締め付けられている時には、それらはただ不快なだけだった。悲しみを傍観するのは心地よいくせに、本当に自分に迫ってこられると、途端...
人間とは身勝手なもので、哀しい歌や哀しい詩に心地よく酔うことができるのは、自分自身の心が落ち着いていて、なんの問題もないときだけなのだ。本当に哀しく、心が締め付けられている時には、それらはただ不快なだけだった。悲しみを傍観するのは心地よいくせに、本当に自分に迫ってこられると、途端に嫌になる。 自分たちはみんな、誰かのコピーなのかもしれない。これから演奏する曲と一緒で、誰もが、ほかの誰かの真似をしながら生きているのかもしれない。 真似は個性を身につけるための手段だ。 最後のライブが始まった。sundownerは今日で終わる。このささやかな「日没後の一杯」のあとには、いったいどんな月がのぼるのだろう。昔、あのハンプティダンプティを照らしてくれたような、奇麗な月は出るのだろうか。 いや、そうはならない。 ー桂って月のことらしいんですよー 何から説明すればいいのだろう。どんなふうに話せばいいのだろう。過ちとはなんだ。誰がそれを捌けるのだ。何を願い、どんな代償を払えば、人は過ちを犯さずに生きていけるのか。もし間違いに足を踏み入れそうになったとき、いったい何を祈れば立ち止まれるのか。過ちと正しさが、そっくり同じ顔をしているのであれば、誰がそれを見分けられるというのだ。 取り戻せないのだろうか。人は、何も取り戻せないのだろうか。
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