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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2010/02/02 |
JAN | 9784622075240 |
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商品レビュー
4.1
11件のお客様レビュー
アウシュビッツ体験記のなかでも必読の1冊。 ということで、読んでみた。やはり、重いです。 アウシュビッツでの生活の描写は、他の体験記とも共通するところが多いのだが、この本の特徴は、敬虔だった著者が神の存在を信じなくなったということにある。そして、信仰をなくしたにもかかわらず、...
アウシュビッツ体験記のなかでも必読の1冊。 ということで、読んでみた。やはり、重いです。 アウシュビッツでの生活の描写は、他の体験記とも共通するところが多いのだが、この本の特徴は、敬虔だった著者が神の存在を信じなくなったということにある。そして、信仰をなくしたにもかかわらず、著者はなんとか生き延びるわけだが、そこには父の存在がある。なんとか、父を守ろうと努力を続けるのだが、そうした中で、何度も父がいなければ楽になる、自由になれるという思いが湧き上がってくる、そのあたりなんともいたましい。そして、父親の息子への愛も胸が詰まる感じがする。 もう少し、事実的な発見としては、 ・著者はハンガリーのユダヤ人で戦争も終わりかけている1944年にアフビッツに送られるのだが、その時点で、アウシュビッツやユダヤ人の最終解決について、ほとんど知識がなかったということ ・著者によるとガス殺されるまえの子どもが直接焼却されていたというニュアンスの記述があること ・ソ連軍の前線が近づいてくるにあたって、収容者は前線から離れるために、集団で退去し、より前線から遠い収容所に「死の行進」をさせられるのだが、その過酷さが生々しく記載されている(収容所がソ連から解放されたとしても、そこに収容されていた人がそのまま解放されるわけではないというのが、あらためて理解できた)
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覚悟して開いだが、やはり当然打ちのめされた。 楽観性バイアスへの後悔、信仰への枯渇と絶望、人間感情の放棄や虚無感…戦争は終わっても、生き延びた事実や当時宿った感情に、ずっとさいなまれ、業火に焼かれるおもいだろうと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『スローターハウス5』のアマゾンレビューで星1個をつけた方が「ヴィーゼルの『夜』を読んだことがないのか!」とお怒りのご様子で「ごめんなさい」ってことで読んでみました。 まずはフランソワ・モーリヤックの序文で身を引き締め、訳者あとがきの「幸福で屈託のない人たちには読んでほしくない」で覚悟を決めて本編に入りました。 まぁアウシュヴィッツ物ですよ。何度となく目や耳にしてきた悲惨なお話ですよ。が、ね、昨日みた健さんの『昭和残侠伝』もそうですが、5年前に読んでいたら「ほんとに人間って酷いことするよな」で終わりだったとおもうんですけど、今のわたしにはあまりにリアルなお話でした。 だってあたしったらこの3年間「アウシュヴィッツに加担したんじゃね?」ってことを突きつけられたんですもん。そして人間はいつでもあっち側になりうるってことも。いま起きている戦争はこの『夜』からなんにも学んでないしね。約束とか信頼とか仁義とかってどこいっちゃったのよ。ヴィーゼルさんの真実の言葉に打ちのめされました。 《坊や、よくお聞き、きみが強制収容所にいるんだということを忘れるんじゃないよ。ここでは、銘々が自分自身のために闘わねばならず、そして他人のことを考えてはならないのだ。自分の父親のことさえも、だ。ここでは、父親だって、かまってはいられないのだ。兄弟だって、友人だって。銘々が自分ひとりのだめだけに生き、そして死んでゆく》
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