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憂鬱たち

金原ひとみ【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2009/09/30
JAN 9784163285207

憂鬱たち

¥220

商品レビュー

3.2

57件のお客様レビュー

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2023/04/06

憂鬱が生きる原動力

いつも世界を憂いている主人公の女と、彼女を憂鬱にさせ妄想をかきたてさせる2人の男が登場する連作短篇集である。著者が主人公を通して極めてリアルに描く、現実と妄想が時に時空を超えて交錯する世界に引きずり込まれるが、それは存外万人が多かれ少なかれ体感している精神世界なのではないか。主人...

いつも世界を憂いている主人公の女と、彼女を憂鬱にさせ妄想をかきたてさせる2人の男が登場する連作短篇集である。著者が主人公を通して極めてリアルに描く、現実と妄想が時に時空を超えて交錯する世界に引きずり込まれるが、それは存外万人が多かれ少なかれ体感している精神世界なのではないか。主人公は憂鬱やリビドーを原動力としてストレス過多な現実世界を生きている。

fugyogyo

2023/03/04

ー 私は憂鬱だ。いつも世界を憂いている。しかし私は憂鬱な世界に生を受けた事をきっと心のどこかで受け入れている。憂鬱は快感だ。憂鬱は始まりだ。憂鬱は永遠だ。憂鬱に終わりはない。それはとても、素敵な事だ。 つまり、憂鬱をポジティブに捉える連作短編集。 連作短編集といっても収録された...

ー 私は憂鬱だ。いつも世界を憂いている。しかし私は憂鬱な世界に生を受けた事をきっと心のどこかで受け入れている。憂鬱は快感だ。憂鬱は始まりだ。憂鬱は永遠だ。憂鬱に終わりはない。それはとても、素敵な事だ。 つまり、憂鬱をポジティブに捉える連作短編集。 連作短編集といっても収録された7つの短編に繋がりはない。 しかし、神田憂、カイズさん、ウツイ君、名前と容姿は同じだけど人格は別の3人が必ず登場する摩訶不思議なつくり。 そして神田憂は精神科を受診しようと出かけるのだが、いつも寄り道してしまい、結局行けない笑 リピート系でじわじわ笑いが込み上げてくる。 評価は5に極めて近いけど、お下劣なので笑、あえて4。

Posted by ブクログ

2022/08/09

7つの短編が収録されている本作は、一作ずつ違う話ではあるものの、主要な登場人物3人の名前を同じにすることで、主人公・神田憂の妄想劇集のような読み方を読者に求める。主人公は精神科に行きたいが、いつもその望みはウツイとカイズのいる世界に阻まれる。最後の短編で耳鳴りの話がある。僕もスト...

7つの短編が収録されている本作は、一作ずつ違う話ではあるものの、主要な登場人物3人の名前を同じにすることで、主人公・神田憂の妄想劇集のような読み方を読者に求める。主人公は精神科に行きたいが、いつもその望みはウツイとカイズのいる世界に阻まれる。最後の短編で耳鳴りの話がある。僕もストレスによる耳鳴りを経験したことがあるが、医者との会話は非常にリアルだったので、親近感を持って面白く読んだ。金原ひとみさんの作品には拒食症の主人公が頻出するが、同じ問題に悩んでいる人からすれば、心の支えになる作家なのだろうと思った。

Posted by ブクログ

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