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太陽を曳く馬(上)
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2009/07/25 |
JAN | 9784103784067 |
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商品レビュー
3.7
59件のお客様レビュー
電車、休憩時間、朝3:30から、とにかく止まらなくて3日もしない内に読了。前半は法定、後半は別の事件に移って巨大宗教団体の内部って感じ。共通するキーパーソンなのが福澤彰之。まさか晴子情歌からこんな流れで合田シリーズと合流するとは。ちなみに読む順番間違えてホントは晴子情歌の次新リア...
電車、休憩時間、朝3:30から、とにかく止まらなくて3日もしない内に読了。前半は法定、後半は別の事件に移って巨大宗教団体の内部って感じ。共通するキーパーソンなのが福澤彰之。まさか晴子情歌からこんな流れで合田シリーズと合流するとは。ちなみに読む順番間違えてホントは晴子情歌の次新リア王なんだけど、すっ飛ばして太陽を〜読んでる。間になんか色々あったんだろうな、とは思う。しくった。彰之の息子、秋道への手紙が何篇かに渡りあるんだけど、これがまたダルい。芸術とは何か的な内容なんだけど、わからん。で、長くて何回も出てくる。これは講義云々より読者をイライラさせて、法定で動機が全く掴めない秋道に対するイライラをわざと誘発させているのでは?と思った。それを含んでも面白かった。高村薫はだいたい半月〜1ヶ月くらいかかるのに、(しかも気分が乗らないと半年くらいの時もある)早く続き読みたい欲が沸いて読書に勤しんだ。事件背景が統合失調症、オウム真理教とか、センセーショナルなテーマを取り上げてるからかも。闇深い感じ。
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相変わらず不安定な精神状態の主人公にもたらされたのは、911に巻き込まれた元妻の死。 加えて、過去に捜査を担当した犯人の死刑が執行され、そこへ持ち込まれたのは、その父親が関わっていた寺での雲水の事故死。 いつ心が壊れてもおかしくなさそうな主人公なのだが、神経が張り詰め尖っていたマ...
相変わらず不安定な精神状態の主人公にもたらされたのは、911に巻き込まれた元妻の死。 加えて、過去に捜査を担当した犯人の死刑が執行され、そこへ持ち込まれたのは、その父親が関わっていた寺での雲水の事故死。 いつ心が壊れてもおかしくなさそうな主人公なのだが、神経が張り詰め尖っていたマークスの山の頃に比べると、事件関係者に愛想笑いができるまでになっている。 とはいえ、それは経験による成長といったものとは程遠く、疲弊や諦観からくる事勿れにみえる。 部下から「そら、出た。また係長のつくり笑い」と、これまでなら上の人間に対して思う側だった主人公が、思われる側になっている。 事件の行く末も気になるが、主人公の今後も気がかりなまま下巻に続く。
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高村薫 「 太陽を曳く馬 」 分からないことが多くて 読むのが苦痛だが、主題は「虚無と宗教」にあるのだと思う。2つの事件に関係する2人の仏教者(福澤彰之と長谷川明円)の虚無に対する姿勢を対象的に描いている 「福澤秋道事件の公判」「合田雄一郎と長谷川明円の対峙」「福澤彰之から...
高村薫 「 太陽を曳く馬 」 分からないことが多くて 読むのが苦痛だが、主題は「虚無と宗教」にあるのだと思う。2つの事件に関係する2人の仏教者(福澤彰之と長谷川明円)の虚無に対する姿勢を対象的に描いている 「福澤秋道事件の公判」「合田雄一郎と長谷川明円の対峙」「福澤彰之から秋道への手紙」のシーンは 傑作だと思う。 著者が伝えたいメッセージは「どんなふうであれ生きているのだから、生きられるように生きればよい」と解釈した 福澤彰之から秋道への言葉「私たちの生命は、どんなときも生きよと言う〜その声を聞いた私たちの脳は、どんなときも意味を探そうとし、見つからなければそんなものは棄てて意味あるものを新たに探しにゆく〜それが生きるということ」 てんかん発作状態と抽象画に、言語や意味を持つ以前の原子的な生命エネルギーを見出し、そこから構築される世界が、芸術と宗教の行き着く世界や死者が再生復活する世界と捉えた 死の意味は〜他者として向き合う眼差しのほかに、自分の身体を離れて概念化する言葉がなれけば生まれない 道元A(因果を超越する)と道元B(因果を究める)の関係性は、福澤彰之と長谷川明円の関係を意味しているように思う 名言 *死者について、生きている者が語り、死者の代わりにそれを聞く者は自分が死者その人になる *分からないことは語らないという宗教間対話の沈黙は、他者の消去を生む〜他者を消去したところに私はない *一つの宗教の信念に対して、異なった宗教が異なった文法で語りかけることはできないが、私たちには人間の言葉がある〜沈黙する前に、もてる言葉で他者に向き合う *人は個体の死から万物の死を想像する生き物であり、生きている者にとって死は、内面的な抑圧や不安を癒すものである *仏の知恵が縁起という以外に言葉にならないものだから、人間は とにかく生きることだとした *問いを立て続ける道を選ぶ〜ただ相手に向かって言葉を発し続ける バーネットニューマン「アンナの光」など 抽象画 *視覚脳の仕組みに沿った営み〜描写を排除して線と色と面しかない *見えたものを選択し、測り、配置し、要らないものを捨てて、世界を構築する *線が円になって、円運動だらけになって、ざらざらする男が聞こえて、赤い光が面になって近づいてきた 壁になって迫ってきた赤色(バーミリオン)〜世界が息の根を止められて固まっているような、物質の光の手触り てんかん発作状態 *言語化以前、意味以前の、絶対的な無分節の、なにかしら生滅の胎動だけはある全一的なエネルギーの中に自分がいる *無明は意味分節された全存在の領域へ、真如の領域へ転移してゆく〜無明から世界が生じてゆくのを見る〜アラヤ識を見ている
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