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クーデタ 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅱ-05

ジョン・アップダイク【著】, 池澤夏樹【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2009/07/30
JAN 9784309709574

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商品レビュー

3.8

6件のお客様レビュー

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2022/11/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

221128*読了 池澤夏樹さんの翻訳。 アメリカ人作家が、アフリカの架空の国クシュを舞台に、その国の大統領の盛衰を描くというのは、なかなかにおもしろい。 アメリカからの援助を嫌悪し、一人のアメリカ人を焼き払ってしまったり、旱魃を宗教的に何とかすべく、王の首を切ったり、やることが横暴。 そんな彼は過去にアメリカに留学して、アメリカで青春を謳歌したわけで。4人の奥さんのうちの1人はアメリカ人ときている。 ついには、盗まれた王の首を見つけに、若い奥さんを連れて過酷な旅に出るときた。 そして、クーデターを起こされ、ただの浮浪者と化し、我が国を去ることになってしまう…。 彼の回想記という形式を取りながら、彼自身に肩入れしすぎることもなく、一歩引いた視点から語られている。その客観性もおもしろさの一つでした。 自分と全く違う時代、違う国(アフリカらしくはあるけれど架空の国)、違う立場に置かれた人の人生や感情を体験できるのが読書の醍醐味だなぁとつくづく思いました。

Posted by ブクログ

2012/07/20

 歴史や社会に実験という事象が存在可能なのか不可能なのか分からないけれども、一般的に伝統を断絶して「人工的」に建設された国家といえばロシア革命に続くソヴィエト連邦と思われている。  しかし原始的な資本主義の発展段階に付随するさまざまな弊害とその反発、またはロシア王家が象徴する王...

 歴史や社会に実験という事象が存在可能なのか不可能なのか分からないけれども、一般的に伝統を断絶して「人工的」に建設された国家といえばロシア革命に続くソヴィエト連邦と思われている。  しかし原始的な資本主義の発展段階に付随するさまざまな弊害とその反発、またはロシア王家が象徴する王権の政治システムの金属疲労という点から考えると、ソ連はべつにマルクス主義を持ち出すまでもなく歴史の延長にあったと考えられなくもない。  むしろ、歴史的スタートがビックバンのような過去との因果を飛び越えて始まったわけでなく、それは表面上はプロテスタントの民族移動という体裁をもちつつも真に人工的な国家と言えるのはアメリカではないかと思う。  アメリカはイギリスからの独立という歴史を欲しがるかもしれないが、それはアメリカという国家が羽織るTシャツの柄のような存在で、アメリカという国会の身体を説明するものでは無い。  アメリカの自由はヒューマニズムの具現という扉絵でもって語るし語られるきらいがあるように思われるが、実際のアメリカの自由は地球からロケットに乗って異星に降り立った新星人の他人からの干渉を否定するのではなく留保し、ひとまずはどんな生活が構築できるかを思考し、実践する仮のルールのようなものに近いのではないかと思う。  その自由(仮)の論理が偶々なのか必然なのか、資本主義と広大な国土、伝統という慣習の不動点を持たない不安定さと連動した結果、発展と栄華を享受することになった。  それは日本の政治システムが長らく、幕府という戦闘状態にあることを強引に仮想前提として続いたように、アメリカもその歴史建造からの留保という仮想前提を通して自由を存続させて今に至っていることと大きな枠組みは似ていると思う。アメリカは独立以来いまだ建国作業というモラトリアムを持ち続けている。だから、特定の人種、思想、lifestyleを容認しつつも、それをけっして固定化させない。それはあたかもアメリカが文化的、文明的に大きな器量を備えている証だとアメリカは表向きは誇るだろうが、実際は建国モラトリアムが完了することを恐れるユング的集団無意識のdnaのはじまりとも言える。  阿弗利加の祖国、仮想国クシュの窮乏を憂うエレルーは、アメリカの留学生活から帰国し、国の災厄と考える政治腐敗とその土壌をなしていると考えるアメリカ的なるものを一掃しようとする。かつての伝統が取り戻せれば、国も再建できると考えるエレルーはクーデターを起こし、王を処刑する。しかし、処刑できたのは王の身体だけであり、それで国全体に広がる空気、勢い、歴史的必然を処刑することは出来なかった。それは台風に向けて風向きと反対側に息を吹き付けたところで何も変わらないように、大きな奔流はすでに引き返せないところまで来ていた。  伝統のためなら、生活の不便を耐えられるであろうと考える のは間違いで、人の生活は宗教的儀礼も含めて根底は徹底的に生活的なものであることを理解できなかった。水と食料とエアコン、平和、まずは生活なのである。それ自体は思想と言えるものでは無いが、しかしどんな思想・科学・宗教・哲学よりも強く集団力学に作用する。  結果、自分が起こした暴力的クーデターは穏健だが圧倒的な圧力のあるクーデターでふたたびひっくり返る。コカコーラやマクドナルドに代表される消費資本主義の武器を持たない革命勢力は結局は世界自体にクーデターを起こし、成功する。  それが善か悪かはともかく、最強なのである。アメリカが製造した文化・文明的原子力発電所はいまや制御不可能な状態にまで進行し、アメリカに反感を抱いているはずの国や人の根幹的生活DNAを変えてしまっている。

Posted by ブクログ

2012/03/27

アメリカ以外の国があることをアメリカ以外の国(アフリカ)の人間の視線で描く。それにしても男というのは欲張りなものですね。奥さん4人いればそれぞれに役割を持たせて。でも、もし4人の人格をひとりの女性に求めるとしたら求められたほうは大変だろうけど。

Posted by ブクログ

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