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マイトレイ/軽蔑 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅱ-03
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2009/05/30 |
JAN | 9784309709550 |
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マイトレイ/軽蔑
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221115*読了 マイトレイも軽蔑も、どちらもある一人の女性を巡っての男性の回想録。 しかもどちらも実話が基になっている。 マイトレイは、ヨーロッパからインドへ渡り、現地で働くアランと、インド人であるマイトレイとの恋物語。 何かと制限があり、思うままに恋愛ができないインドで二...
221115*読了 マイトレイも軽蔑も、どちらもある一人の女性を巡っての男性の回想録。 しかもどちらも実話が基になっている。 マイトレイは、ヨーロッパからインドへ渡り、現地で働くアランと、インド人であるマイトレイとの恋物語。 何かと制限があり、思うままに恋愛ができないインドで二人は愛し合ってしまった。 若いからこその過ちといえばそれまでだけれど、当時の二人にとっては、ただただ夢中で、夢のような時間で、そこからの絶望は死にたくなるほどだったのだろう。 異文化に触れ、傾倒していく様子に、私も引き込まれました。 軽蔑は、ある夫婦の妻側が夫を軽蔑し、関係が破綻していくという話。 随分と前に書かれた話だし、日本とイタリアで場所も違うけれど、この女性が男性に抱く軽蔑に共感。 どんなに愛していても、軽蔑するようになってしまうきっかけってあるし、一度軽蔑してしまったら、もう修復不可能だと思う。 カプリの別荘で過ごす場面の描写が美しかったり、夢想的であったりしてよかった。 自分が女性だからか、男性側に感情移入することはほぼなくて、女性側の気持ちを想像して、分かる分かるとなってばかりでした。
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『マイトレイ』 作者は、宗教学者として高名なミルチャ・エリアーデ。 エリアーデの青年時代のインドでの恋愛体験を基にした小説。弥勒(マイトレーヤ)とは関係なし。 解説を読んで初めて知ったが、マイトレイは相手の本名で、小説中の日記は、実際に作者が青年時代に書いたものを引用したものらし...
『マイトレイ』 作者は、宗教学者として高名なミルチャ・エリアーデ。 エリアーデの青年時代のインドでの恋愛体験を基にした小説。弥勒(マイトレーヤ)とは関係なし。 解説を読んで初めて知ったが、マイトレイは相手の本名で、小説中の日記は、実際に作者が青年時代に書いたものを引用したものらしい。私はてっきり、日記体の小説に主人公が現時点での冷静なコメントを入れるという、新奇な小説技巧かと思ったが、そうではなかった。この小説の内容はほとんどが実体験であったらしい。そうするとこうしたコメントも作者の執筆時の心情そのままなのだろう。エリアーデはインドから母国ルーマニアに帰還した数年後にはこの小説を発表している。予想外にもこの小説が大評判となり、エリアーデは一躍、若手人気作家となった。 『軽蔑』 小説としてはこちらのほうがうまい。単純な筋書きでありながら、緻密な心理描写で読ませる。 妻から軽蔑されながら、それでも愛し続ける男の哀しさ・憐れさがよく描かれている。「夫を心から愛していた妻がなぜ突然、夫を軽蔑するようになったか」が読者の興味を惹きつける謎となっている。その答えも、あまりに心理的に繊細すぎるとしても、ありうる答えである。(解説ではネタバラシされているのであとで読んだほうがいい。)オデュッセウス映画製作のエピソードが意外な形で本筋と絡んでくるのも巧み。寝取られ男の主人公リッカルドの心理描写は真に迫っているが、こちらの小説も、作者モラヴィアの現実の生活を反映したもののようだ。解説を読むとそれが分かる。
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マイトレイは、色彩と肉感の表現が素晴らしくて脳内で映像化して読んだ。男の無責任は腹立たしいはずなのに、それによって堕落する女は美しいと思った。 軽蔑は、、大人の男女関係は難しいし時に儚いと教えてくれた。
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