秘密がある(ハート)シリーズ第三弾 攻め・山下順平(高１) 受け・中津川冬吾(高２) 月夜の宮学園 姫宮綾斗に失恋した柔道部部長・冬吾は同じく姫宮に失恋して不能になってしまった剣道部副部長の山下順平に「男性機能回復」の為に協力することになり。 ＣＤが聴きたい為に読んだ原作。羽多野×遊佐というキャスティング、まだ未聴。 で、初読み作家さんか？と思いきや、実はずっと以前にこの秘密があるシリーズの第一弾を読んだ記憶があるという。忘れてました(笑) あまりの無茶ぶりな設定に呆れるを通り越してこれはこれで楽しければ何でもアリなのね、と開き直って読みました。 そう、挿し絵も含めてきっとこれはこれとして世界観が出来上がっているのだと思います！ コバルト並みの読み易さと可愛らしい(武道の猛者というのに！)キャラ絵とでサラリと読めるライトなＢＬでした。

入荷先：目黒区立八雲中央図書館 前作であれほど指摘した旭姫が「萌え」という名の欲望の投影行為に伴って生じる「意識を飛ばすことの危うさ」が、本書でも全くといっていいほど改善の傾向が見られない。あれほど批判したはずなのに、全く答えようともしない（萌えというものが含む無邪気な排外主義については石田仁「「ほっといてください」という表明をめぐって」　ユリイカ2007年12月臨時増刊『BLスタディ−ズ』採録　で手厳しく批判されているのでこれ以上の追加は行わないが、最低でも通過しておくことが望ましい）。南原の筆力が衰えていないことが幸いしているものの、これではいかんせんマズい。 そして悲しいかな、意識構造の根底が70年代の時代錯誤的な「熱血少年マンガもどき（もちろんもどき！　としておかないとこの作品ではただのノイズだ）」では意味がないでしょうに（柔道のイメージが未だに梶原一騎から抜けきれていないのか、はたまた浦沢直樹から何も学んでいないだけなのか）。