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博物館の裏庭で 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/08/29 |
JAN | 9784105900694 |
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商品レビュー
4.4
13件のお客様レビュー
年明けから読み始めて、約一週間でようやく読み終えた、「ルビー・レノックス」の家族四世代に渡る、それぞれの人生模様を積み重ねた歴史は、何か輝かしい偉業を成し遂げたわけでもないし、家族って素晴らしいと思えるものでもなく、むしろ、辛く悲しく、陰湿で、下品で、現実味がありすぎて、何を言い...
年明けから読み始めて、約一週間でようやく読み終えた、「ルビー・レノックス」の家族四世代に渡る、それぞれの人生模様を積み重ねた歴史は、何か輝かしい偉業を成し遂げたわけでもないし、家族って素晴らしいと思えるものでもなく、むしろ、辛く悲しく、陰湿で、下品で、現実味がありすぎて、何を言いたいんだと思うかもしれない。 しかし、私にはそれにすごく共感できるものがあった。 何故なら、私もそう思えるような人生を送ってきたからです。 それに、よく目を凝らして見てみると、小さいながらも、細々と輝く愛も確かに存在する。 その現実味溢れる、人生の再現度がすごいのであって、そこには、きれい事だけで人生は成り立たないことを実感させてくれる。 確かに、バンティやパトリシアの人間性を読んでいくと、決して好きになれない要素が多いと思うかもしれない。 でも、彼女たちも涙を流して泣いている場面もあるんですよ。 別に彼女たちに限らず、意地の悪いレイチェルが、アルバートのことを自慢気に話していたり、子供の写真を胸にしっかり抱きしめていた彼女もそうだし、女に限らず男だって、ジャックとスパニエル犬のジェニーの戦時下での悲劇や、ロレンスの終盤での思いの丈を吐き出す様には、真に目頭を熱くさせるものがあり、それらの中には、本人たち同士でその思いが伝えられない悲劇もあるけれど、それが無くても、遠いどこかで自然と涙にくれることができる、それは正に家族の遺伝子が為す偉業であって、決して事故に遭いやすい遺伝子だけを持つ一族ではないのです。 ルビーもネタバレの一件含めて、その人生は決して安易でやさしいものではなく、彼女の愛は大きくないのかもしれないし、「かわいそうなルビー」というフレーズの真意に涙したが、それでも、十五年待った甲斐があったと思えたり、過去は引きずって歩くものだと辛苦も受け入れて、彼女自身の人生を歩む様には、たとえ名誉や栄光がないとしても、素直に拍手を送りたい気持ちになりました。 「人生はなぜこんなに美しいと同時に、こんなに悲しいのだろう?」と、思いを巡らしたこともあったルビー。 それが人生だからだと私は思う。 そして、何より私がいちばん嬉しかったのは、初の長篇にして、ウィットブレッド賞受賞作でも、作風がブロディシリーズと全く変わっていない、アトキンソンの変わらぬ信念だった。
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一族の物語。主に女性の視点から語られる。 日常を生きながらも、退屈して鬱屈した思いを抱えたり、中には不倫にのめり込んだり、失恋したり。 バンティの不倫のシーンは、ぼかされていなかったので嫌だった。生々しすぎるし、実の子どもに目撃されるのかって。
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長さに狂気を感じる。女性性の色濃い家族の人生の系譜を母親の胎内にいた頃から主人公は語る。特に優秀な一家でもなく、人道的に優れてる訳でもなく、普通の。どちらかといったら模範的ではない人間達の、結構だらしない人生で、リアルというのか、よみやすい気がする。しかしこれといった劇的な出来事...
長さに狂気を感じる。女性性の色濃い家族の人生の系譜を母親の胎内にいた頃から主人公は語る。特に優秀な一家でもなく、人道的に優れてる訳でもなく、普通の。どちらかといったら模範的ではない人間達の、結構だらしない人生で、リアルというのか、よみやすい気がする。しかしこれといった劇的な出来事もなく、戦争の表記も淡々としたもので、家族って生物的に似てるけど、考え方好みもてんで似通ってないし、一緒の生活ってしんどいし逃げられないもんだよね、という、結構しょっぱく苦く辛い本だなーと。ここに背を向けない勇気は買う。
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