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仮の水

リービ英雄【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2008/08/09
JAN 9784062148412

仮の水

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商品レビュー

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2016/09/14

リービ英雄氏の不思議小説『仮の水』を読了。著者の略歴を知って読むと少しばかりは思いは伝わるが、著者の事を全く知らずに読むと正直言ってへたくそな小説としか思えない小説だ。というのは著者はNYに生まれ台湾、日本、香港と外交官の父親の転勤により様々な国で暮らしその土地土地の言語を習得し...

リービ英雄氏の不思議小説『仮の水』を読了。著者の略歴を知って読むと少しばかりは思いは伝わるが、著者の事を全く知らずに読むと正直言ってへたくそな小説としか思えない小説だ。というのは著者はNYに生まれ台湾、日本、香港と外交官の父親の転勤により様々な国で暮らしその土地土地の言語を習得しながら、プリンストン大学で東洋学を専攻といった育ち方をした人物であり、何と万葉集の英訳もしているらしい。だが日本語は母国語ではないのだ。そんな彼が日本文学に挑戦している。そのチャレンジには驚いたが、正直かなり無謀な挑戦だろう。物語は帰国子女がまま陥る自分は何処に所属している人間なんだろうというアイデンティティ・クライシスに陥り悩む主人公が自分の先祖のルーツにかかわかるかもしれない土地をめざし中国を旅をするお話としてよめるが、著者が何を伝えたかったのかは残念ながら不明のママだ。そんなボーダーレスな挑戦であった作品を読むBGMに選んだのは渡辺貞夫の"California shower". 大学時代を思い出す。

Posted by ブクログ

2008/10/29

中国を旅する作者と思わしき男が出会った些細な出来事の断片。 読み始めてすぐに感じる違和感は、文が進むにしたがって次第に強くなっていく。 「かれ」と呼ばれる男が、何者でどんな風体で、何の目的を持って旅をしているのかが一切省かれているのがその原因だ。 「かれ」に感情移入をしていいもの...

中国を旅する作者と思わしき男が出会った些細な出来事の断片。 読み始めてすぐに感じる違和感は、文が進むにしたがって次第に強くなっていく。 「かれ」と呼ばれる男が、何者でどんな風体で、何の目的を持って旅をしているのかが一切省かれているのがその原因だ。 「かれ」に感情移入をしていいものか、或いは突き放して読まなければならないのか。読み手の立場も不安定なままなので戸惑いは大きい。 やがて少しずつ彼が東洋人とは違った外見を持っていること、初老と言えるような歳であることなどが分かってくるが、「かれ」の輪郭はぼやけたままだ。 ショートフィルム、しかしあまり巧く作れていないものを見ているよう。 蛇足ながら、北京語のルビの適当さにはかなりげんなり。 ルビも作者の指示で、それで外国人っぽさを出そうとしているのなら、狙いは大はずれだと言わざるを得ないだろう。なぜなら、ルビが正しくないと分かる日本人はそうは多くないだろうから。

Posted by ブクログ

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