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炎の回廊 満州国演義 4

船戸与一【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/06/20
JAN 9784104623051

炎の回廊

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商品レビュー

3.7

6件のお客様レビュー

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2022/03/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

満州国演義シリーズ第4作。敷島太郎の長男・明満が死に、「明日の満州、明るい満州」を意味するその名前が消えていったことに象徴されるかのように満州国の未来に暗雲がたれこめ始める。抗日反満を掲げる抗日連軍、コミンテルンの暗躍に加え、内地では美濃部達吉の天皇機関説に対する反発や2.26事件という皇道派による軍事クーデタ未遂も起きる。敷島4兄弟の運命も時に交錯する。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou10142.html

Posted by ブクログ

2016/08/01

1934年溥儀の満州国皇帝即位式典からが本巻のスタート。 満州国建国に伴って行われた溥儀の皇帝即位式の華やかさとは裏腹に、この新国家が早くも意味不明な存在であることが確認される。 この国には(誰も満州国国籍を得たがらないので)国民がおらず、憲法すら作れないという。 よく考えればそ...

1934年溥儀の満州国皇帝即位式典からが本巻のスタート。 満州国建国に伴って行われた溥儀の皇帝即位式の華やかさとは裏腹に、この新国家が早くも意味不明な存在であることが確認される。 この国には(誰も満州国国籍を得たがらないので)国民がおらず、憲法すら作れないという。 よく考えればそりゃそうなんだけど、"五族協和"なんて壮大なスローガンを掲げておきながらこの内情はちょっと寒い。 ソ連コミンテルンや金日成や中国共産党など共産主義勢力の暗躍や、ナチス勃興などの話題も出てくるのだけど、興味深かったのはユダヤ人の話。 1930年代当時、ドイツとソ連の両方から迫害されたユダヤ人達は逃げ先のひとつとして満州国を想定していたのだそう。 結局実現せず終わるものの、ユダヤ人の経済力やアメリカ合衆国への影響力を計算して、日本(満州国)側でも受け入れ政策が検討されていたのだとか。 ユダヤ人問題だけではなく、インドやモンゴルでの民族意識の高揚なんかも含めて、満州の問題がどんどん複雑な国際情勢とリンクしていく。 この巻で起きる最も大きな事象はファシズムの台頭。 日本陸軍内部での皇道派と統制派の対立がこじれにこじれた末、1936年には二・二六事件が勃発する。 この事件は合理的なファシズムと神秘的なファシズムという不毛な対立構図であり、その背景にあるものは天皇の存在や機能を巡る論争。それらは明治維新の延長線に発生したもの、というのが本作での捉え方。 明治維新期に薩長系の元勲が日本を近代国民国家とするために行った水戸学風の《天皇=神》のプロパガンダが事の発端なのだけど、年月が経過した昭和期の青年将校達の間では、それはあまりにも定説化しすぎていた。 作中のある登場人物が口走る「とりあえず天皇陛下万歳と言ってしまえば楽になれますよ」という言葉の不気味さが、この時代における一面の真実なのだろう。 明治維新期に為されたプロバガンダが、世代を経て大きな弊害を産み、それが二・二六事件、さらには太平洋戦争にまで繋がっていくこと。 こういうことを考えると、《僅か数十年でロシアを破るまでになった》という日本の急激な近代化が本当はどういうものであったのか、よく考えられるべきなんだろうなという風に思う。 いいとか悪いとかではなくて、何がどうなったのか、何を産み出して何を破壊したのか、何を変貌させたのか、そして何が今にまで残っているのか。

Posted by ブクログ

2014/05/11

ついに二・二六を迎えた。とはいえ唐突の感もある。小説の舞台はあくまで満州国なので仕方ないけれど、事件の詳しい背景を知りたかっただけに、幾分拍子抜けしてしまった。

Posted by ブクログ

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