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黒いカーテン 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 1960/02/12 |
JAN | 9784488120016 |
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商品レビュー
3.5
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短いけれども濃厚。 そんな作品がこの作品。 何の前触れもなく「未知の存在」 におわれる恐怖よ。 そしてだんだんと失われた期間の 記憶が戻っていきますが それはある種の別の自分が体験した 悲劇でもありました。 この背景に隠された事実は凶悪。 危うくタウンゼントも魔の手に落ちかけましたが ある救世主により助かるのです。 まあ、一部もやるのは気にしないでおこう。 そこは突っ込んではいけない。
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道を歩いていて上から落下物に当たって、家に帰るとどうも様子がおかしい。引っ越しているというのだ。引っ越し先に行くと妻はいた。引っ越して3年半にもなるといい、あなたは突然いなくなったのだと。その3年半の記憶が無い。おまけに誰かにつけられている。どうやら俺は犯罪を犯したようなのだ。と...
道を歩いていて上から落下物に当たって、家に帰るとどうも様子がおかしい。引っ越しているというのだ。引っ越し先に行くと妻はいた。引っ越して3年半にもなるといい、あなたは突然いなくなったのだと。その3年半の記憶が無い。おまけに誰かにつけられている。どうやら俺は犯罪を犯したようなのだ。というわけで、3年半の間の自分を探り、真実を突き止める。 ウールリッチの唐突な物語の究極形かも。空白の3年半に至るのも、戻るのも唐突でSF的な感じすらする。それを超えるのは、妻への、3年半の間の相手への、愛。 訳者の宇野利泰氏は1909年生まれ。生きていたら113歳です。おまけに住所まで記載されているのには驚く。1960年にはこうだったのか。 1941年発表 1960.2.19初版 1987.6.5第30版 図書館
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落ちてきた漆喰壁を頭に受けたタウンゼントはその日、いつものように家に帰宅するが、管理人の驚きの表情が待っていた。 管理人曰くは、もう3年も前に引越したのだという。 不思議な気持ちで引越し先を訪れた彼を待ちうけていたのは妻の驚くべき言葉だった。実は彼は3年前に妻の下から失踪していたというのだ。 半信半疑のうち、元の生活に戻り、勤務先に復帰したが、彼の帰りを付き纏う謎の影の存在を知る。あまつさえ銃口すら向ける謎の男はやがて彼の塒をつきとめ、襲撃する。 執拗な追撃から辛くも逃げ切った彼は妻を実家に帰し、見知らぬ過去と対峙する決意を固めるのであった。 どうだろう、この導入部!アイリッシュならではのサスペンス溢れる設定ではなかろうか。 今回は叙情性よりもスピード感を重視した構成で、アイリッシュ特有の短編を連ねたような追撃劇、殺人劇は成りを潜め、謎の究明に着実に一歩一歩前進していく。だから200ページ足らずの長編にしては話の起伏は濃いのだ。 冒頭に掲げた梗概は60ページ足らずの部分でしかない。現在の作家ならば、これだけで800ページ上下巻作品の上巻のラストまでに達するだろう。今回はこの展開の早さのおかげでページを繰る手がもどかしいほどだった。 裏に隠れた事件についてはアイリッシュらしからぬトリックの施されたもので、ちょっと驚いた。 しかし縺れた糸を1本1本振り解いていくような筆致はサスペンスの王様の面目躍如といったところで緊張感が持続してよかった。 が、しかし、しかしである! 冒頭に掲げたタウンゼントの失われた3年間が発生する契機となった原因が何ら語られないまま物語は閉じられるのである。 何ゆえ、彼がダニエル・ニアリングと名乗って旧家の召使となっていたのか―というより、彼の正体はタウンゼントなのかニアリングなのか―、記憶消失の原因は何だったのか、これらが全く整理されないままなのだ。 これは物語としては片手落ちだろう。最後の1ページにこの真相が語られると期待していただけに、不満が残ってしまうのだ。
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