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足利義満 消された日本国王 光文社新書

小島毅【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2008/02/14
JAN 9784334034405

足利義満

¥110

商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2017/03/13

著者も書いているが、この本は小説ではなく、一切の希望や妄想が排除されねばならず、事実のみで構成されてしかるべきものである。 足利義満という室町の武家についての私の印象は、地味、ハゲ、金閣、日明貿易、といった高校日本史レベルのものである(ヒドいな)。 非常にアカデミックな内容で...

著者も書いているが、この本は小説ではなく、一切の希望や妄想が排除されねばならず、事実のみで構成されてしかるべきものである。 足利義満という室町の武家についての私の印象は、地味、ハゲ、金閣、日明貿易、といった高校日本史レベルのものである(ヒドいな)。 非常にアカデミックな内容で知性をまさぐる内容というよりは、まわりくどい。読んでいて、自分が読んでいる本が足利義満についてのものだと忘れてしまうことがある。(それは私の知性の問題でもある) 再読しよう。

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2015/01/07

東京大学の先生で、各種助成金で本を買っていらっしゃるこの著者は基本的には「皇国史観」なるものを嘲笑し、侮蔑する極めて「安全」な戦後言語空間で、例によって「すぎない」論を使い華麗にディスクールを飛び跳ねて、「反権威・反権力」を気取っていらっしゃる。研究室に屯している時分から、とても...

東京大学の先生で、各種助成金で本を買っていらっしゃるこの著者は基本的には「皇国史観」なるものを嘲笑し、侮蔑する極めて「安全」な戦後言語空間で、例によって「すぎない」論を使い華麗にディスクールを飛び跳ねて、「反権威・反権力」を気取っていらっしゃる。研究室に屯している時分から、とても漢籍オタクで、古文書もずいぶんと読め、自ら恃むところ多いということは、この稚拙な文章から容易に推察される。著者の「東アジア」なるものが如何なる像を持っているのかは知らないが、いずれにしても本著書の調子に乗った卑しい文章も、俗欲も、ついでに実は隠微に潜んでいる権力欲も、一切合切を包み込むのが皇室であった、と著者の嫌いな三島由紀夫なら哄笑することだろう。この著者は出発地点から間違っている。

Posted by ブクログ

2012/06/02

歴史をテーマにした新書には、ときどきものすごい本(下手な表現だけど、変わる言葉が見あたらない。)がある。 本書でもたびたび引用されているけれど、「室町の王権」(今谷明 著)はそれの代表事例。歴史教科書で出ては来るけれど、「独裁体制を打ち立てるため守護大名をいくつか潰したり、南北朝...

歴史をテーマにした新書には、ときどきものすごい本(下手な表現だけど、変わる言葉が見あたらない。)がある。 本書でもたびたび引用されているけれど、「室町の王権」(今谷明 著)はそれの代表事例。歴史教科書で出ては来るけれど、「独裁体制を打ち立てるため守護大名をいくつか潰したり、南北朝統一を達成し、室町幕府の最盛期を築いた将軍。しかし、後継者の時代に独裁体制は崩壊。」程度でしか知られていない人物に新たな光を当てて、日本史上空前絶後の大物であったことをあぶり出した作品。 もう一つ上げると、「儒教 ルサンチマンの宗教」(浅野祐一 著)も好事例。「聖人孔子」という、既成概念を根本から否定し、虚構の世界の誇大妄想の「王者」が現実世界の王者として位置づけられるに至った話を衝撃的に記述している。 前者の内容は、井沢元彦氏の著作の影響もあって既に世の中の常識になりつつあるようにも思うが、後者の方はまだ広まっていないように思う。「常識」の世界ではいまだに「聖人孔子」ではありませんか。 さて、そのような「ものすごい本」にまた一冊新しい本が加わった。それがこのたび出版された「足利義満 消された日本国王」である。 内容は、「室町の王権」をさらに発展させたものと言ってしまえばそれまでなのだけれど、東アジア全体を視野に入れた、よりスケールのでかい義満論。 日本は「万世一系」かどうかはともかくとして「天皇」が一貫して存在していたこと(「天皇」号の歴史性など厳密な話は取り敢えず捨象。)から、「国体」は不変であったかのように思われがちだけれど、少なくとも国王(冊封体制下での意味ではなく、普通名詞の意味での。)の地位は時代によって変遷している。義満の時代の「日本国王」はもちろん義満で、後小松帝は義満に実質的にも形式的にも従属する存在でしかなかった。 今谷「室町の王権」はそこから天皇家簒奪計画を導くのだけれど、本書は違う。既に帝(天皇)を遙かに超えた実力と権威を身につけている義満が、今さら、天皇家簒奪などするものかという視点。これは目から鱗が取れる見方。 本書の特徴は、何といっても、日本列島という狭い観点にとらわれた政治史ではなく、元から明へ、高麗から朝鮮(李朝)へという、東アジア全体の大きな政治変動の文脈で義満の「日本国王計画」(この「国王」は普通名詞ではなく、冊封体制下での歴史的概念。)を描いている点。新しい視野に立ったスケールの大きいとらえ方で、非常に面白い。 本書の分析が歴史専門の立場から見てどの程度妥当なのかはわからないけれど、極めて論争的・問題提起的な姿勢は高く評価したい。特に、皇国史観や聖徳太子を称える考えを「夜郎自大」と切り捨てるところは圧巻。 内容とは別に、各所で話が大いに脱線していくところは、学者の記述らしくないけれど、「読みやすさ」という点に大いに工夫していることがうかがえる。人によっては気に入らないだろうけれど。 本書の魅力は東アジア全体の政治情勢と関連づけた記述にあるが、中国歴代王朝の禅譲と放伐の話も、わかりやすく大変勉強になる。 中国史の概説書を読んでもこの辺りの説明はあまり丁寧にされていないと思うが、できればそのような説明をきちんとした本を書いて欲しいものだが。 ところで、公家社会における「形式主義」に関連して、面白い分析あり。手続きを重視している点で現代の民主主義と同じではないかということ。ここも非常に新鮮な見方。 本書の本筋ではないのだけれど、南北朝正閏に関して本書で得られる情報は、少なくとも私にとっては衝撃的。今上のお血筋(崇光帝)は、こんなにご苦労をしておられたのか。そのようなことを、みんな知らないではないか。南北朝を論じる際には、せめて、ここの事実関係は知っておく必要があろう。それにしても、どうしてこんな背景があるにもかかわらず明治政府は南朝正統論に決めたのでしょうね。足利を嫌いになるのはわかるけれど、南朝正統にするというのはどう考えても、現行体制(北朝の系統)の正統化に反すると思うのだけれど。

Posted by ブクログ

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