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だれも知らなかった〈百人一首〉

吉海直人(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 春秋社
発売年月日 2007/12/25
JAN 9784393441626

だれも知らなかった〈百人一首〉

¥825

商品レビュー

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2013/08/31

卒業論文で大好きな百人一首を扱おうかと思ったけど、百人一首の「何について」書けばいいのかわからなくて未だに模索中で、とりあえず何か研究書的なものを読んでみようと思って手に取った本。 文体のせいか、そんなに固く難しい本ではありません。私なんか知識も乏しいのにそれでもすいすい読むこ...

卒業論文で大好きな百人一首を扱おうかと思ったけど、百人一首の「何について」書けばいいのかわからなくて未だに模索中で、とりあえず何か研究書的なものを読んでみようと思って手に取った本。 文体のせいか、そんなに固く難しい本ではありません。私なんか知識も乏しいのにそれでもすいすい読むことができました。 そして、百人一首中の和歌をひとつひとつ解説するものでもありません。 この著者は百人一首関連の本を探すと必ず出てくる方で、「百人一首」に関する知識の量が半端じゃないなと思いました。 とにかく幅広いです。 どういうことかというと、百人一首の成立背景はもちろん、『小倉百人一首』という書名について、色紙について、歌仙絵について、持統天皇や小野小町、崇徳院について、「かるた」としての百人一首の変遷、浮世絵や川柳・狂歌との関わり、宝塚と百人一首、海外に翻訳される百人一首、食べ物と百人一首、歌碑について…などなど、あらゆる「世界」における百人一首を解説しているのです。 タイトルに「だれも知らなかった」とあるように、私って百人一首について何も知らなかったんだなぁと思いました。 興味深かったのは、百人一首と『源氏物語』の関連です。初めて知りました。 とはいえ、恥ずかしい話ながら『源氏物語』は一度挫折したきり読んでいない身ですから、この節を読んでもピンとこなかったのですが…。 面白い本でした。本当に幅広いので、興味のある部分だけ読むというのもありかなぁと思います。

Posted by ブクログ

2012/04/09

まえがきで「百人一首に関する本がたくさん出ている割には、どれもぱっとしないのは、著者が研究者ではないからだ」と堂々と豪語する著者に驚きましたが、読んでみると確かに、従来の関連本よりも一歩踏み込んでいながらも、難しすぎることもない、看板に偽りなしの内容です。 1番の天智天皇は男性...

まえがきで「百人一首に関する本がたくさん出ている割には、どれもぱっとしないのは、著者が研究者ではないからだ」と堂々と豪語する著者に驚きましたが、読んでみると確かに、従来の関連本よりも一歩踏み込んでいながらも、難しすぎることもない、看板に偽りなしの内容です。 1番の天智天皇は男性なので、絵も地味な恰好となり、その代わりのように2番の持統天皇は華やかないでたちで描かれているものです。 でも、彼女が「春すぎて」の歌を詠んだのは、49歳を過ぎていたとのこと。 少女のような派手な色の着物を着ているのは、目立つ絵にして購買意欲をそそろうとするかるた売りの事情からだとか。 72番の祐子内親王家紀伊が「音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の 濡れもこそすれ」と詠んだ時には、なんと70歳を過ぎていたそうです。 絵から抱いていたイメージと実年齢との差に、愕然としました。 百人一種の女性たちはビジュアル的にみな若く描かれているということw知りました。 逆に、「遍昭は乙女に何の用がある」という川柳があります。 これは僧正遍昭が出家した身でありながら、恋の歌を歌っているため、生臭いとからかわれている内容ですが、遍昭が歌を読んだ時はまだ出家前の若者の時だったからだとのこと。 百人一種では、作者名が最終官職で記されているために、和歌の内容とのズレが生じてしまいます。 男性の場合には僧侶も多く、女性とは逆に、恋の歌を詠んでいるのに老けこんでいる印象が強いです。 漱石の『吾輩は猫である』の作中に、「お前、世界で一番長い字を知っているか」「ええ、前の関白太政大臣でしょう」という夫婦のやり取りがありますが、それは百人一首76番の法性寺入道前関白太政大臣(藤原忠道)のことを指していると、知りました。 言われなければ、まったく気がつきません。漱石の教養ですね。 宝塚の芸名が百人一首からつけられているということも、知りませんでした。 1期生から11期生までの160名は、100%百人一首からの名前というのは、驚きです。 天野香具子とか有明月子という宝ジェンヌがいたそうです。まんまですね。 26首目「小倉山峰のもみぢば」が小倉あんの元だとか、龍田揚げは「ちはやぶる」からだとか、みかさは7番の安倍仲麻呂の「三笠の山に出でし月かも」からだとか、もしかしたらそうかしらと思っていたことが全て確証を持って書かれていました。 「どらやき」とは関東での呼び名で、「みかさ」が関西での呼び名だそうです。 さらに、京都の甘春堂では「出でし月かも」のもじりで「みかさ」を「月鴨」として売っているとのことで、なんとも風流を感じます。 一番おもしろかったのが、江戸時代に川柳、狂歌の題材となった歌の紹介で、格式ばった難しい和歌集だというイメージが、諧謔の柔らかい発想を通じて、より親しみやすく思えるようになりました。 全編にわたって、単なる歌と土地の解説に留まらない、真面目な文章ながらも興味を刺激される内容となっています。

Posted by ブクログ

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