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アレクサンドル2世暗殺(下) ドストエフスキーの死の謎

エドワードラジンスキー【著】, 望月哲男, 久野康彦【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本放送出版協会
発売年月日 2007/09/29
JAN 9784140812334

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アレクサンドル2世暗殺(下)

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2022/04/04

 ヴェーラ・ザスーリチがペテルブルク特別市長官狙撃事件で無罪放免になって以降、政府の要人の暗殺や狙撃が頻発するようになり、著者は「このようにしてロシアは、自分が法律的に幼年時代にあることを、ものの見事にさらけ出した。」と指摘する。「信念に基づいて人を撃つ権利が合法化されたのである...

 ヴェーラ・ザスーリチがペテルブルク特別市長官狙撃事件で無罪放免になって以降、政府の要人の暗殺や狙撃が頻発するようになり、著者は「このようにしてロシアは、自分が法律的に幼年時代にあることを、ものの見事にさらけ出した。」と指摘する。「信念に基づいて人を撃つ権利が合法化されたのである。」(p.128)  ダイナマイトが登場し、テロ攻撃の殺傷力は飛躍的に上がった。皇帝は散歩の途上で狙撃され、お召し列車を爆破され、ついには宮殿内に爆薬を仕掛けられ、徐々に普通の生活を送れなくなっていく。皇帝を殺すことにのみ注力するナロードニキの執念は凄まじいものがある。    だが5回目の暗殺に失敗した時、何か妙にブラックな笑いが込み上げてきた。5回も試みて、なぜ仕留められないのか? 逆に皇帝の側近や秘密警察(第三部)はなぜテロリストを逮捕できないのか? 宮殿の食堂の真下にダイナマイトを仕掛け、50人もの衛兵を犠牲にしながら、たった一人の攻撃目標である皇帝を暗殺できない。  第三部は何度も事件の兆候を見逃し、ナロードニキは何度も軽はずみな行動で暗殺に失敗した。双方の迂闊さと無能さが並行して描かれる終盤のくだりには、背筋の凍るような恐ろしさと滑稽さが同居する。この「詰めの甘さ」がロシアの国民性なのだとしたら、ウクライナ侵攻後の事態の膠着にも説明がつく気がする。彼らはウクライナの抵抗を計算に入れていなかったのではないか。  最終的にアレクサンドル2世は7回目の事件で殺された。彼の近代化改革は間違ってはいなかったが、ロシア社会がそれを拒み、ユリエフスカヤ公女(エカテリーナ・ドルゴルーカヤ)との再婚は宮廷内の人々の離反を招いた。ドストエフスキーの死とテロリストたちとの関係の考察、暗殺の前後に何があったのかを側近と皇帝の一族、実行犯の供述の引用であぶり出す手法はミステリアスな部分もあり読みごたえがあったが、全体としては話が長すぎてやや退屈。ネチャーエフこそがドストエフスキーの描いたまさに『悪霊』であり、将来の皇帝暗殺者たちがアレクセイ・カラマーゾフである、という一文が印象に残った。

Posted by ブクログ

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