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和泉式部日記 ビギナーズ・クラシックス 角川ソフィア文庫

川村裕子【編】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川学芸出版/角川グループパブリッシング
発売年月日 2007/08/24
JAN 9784048574174

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和泉式部日記

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2024/04/05

まずはビギナーズクラシックで軽く読もうと借りてきた。案の定読みやすく楽しかった。 巻末でも紫式部による和泉式部評が掲載されてますが、彼女の言葉の煌めきは素晴らしいの一言。 (これが彼女の作品であるならば) その輝きが男性遍歴と因果なのか相関なのか共に結果なのか偶然なのか分からな...

まずはビギナーズクラシックで軽く読もうと借りてきた。案の定読みやすく楽しかった。 巻末でも紫式部による和泉式部評が掲載されてますが、彼女の言葉の煌めきは素晴らしいの一言。 (これが彼女の作品であるならば) その輝きが男性遍歴と因果なのか相関なのか共に結果なのか偶然なのか分からないけれど、和歌から伝わる純真さというか計算のない直向きさみたいなのが当時の「浮かれ女」という評判と甘辛ミックスになってるのは確かに感じる。 理屈に弱いかどうかは全く分からない。 事実を元にしてるからそれ以外にどうしようもないものの、それでもやはり人生の切り取り方によって物語の印象や構成は変わるはず。 身分違いの恋人(為尊親王)の死から始まるのも全体を通してどこか不穏な空気というか底冷え?隙間風?を感じる陰鬱な感じはそのまま敦道親王の死へと繋がるし、読み手は「恋人の死から始まって新しい恋人の死で終わる」不幸の結び目の間を指で広げて読む感じがしていい。 恋人の死、その死んだ恋人そっくり(弟)の年下のスーパー男前の彼、高貴な人に身染められる身分違いの恋に悩むシンデレラ、世間からの悪評、すれ違い、意地悪な家族(乳母、北の方、女御)、絶対に超えられない障害(使用人としての添い遂げ)とそれを乗り越える愛、結果の不協和音などなどなど。 大映ドラマかよって感じ、というか大映ドラマがこの骨組みを利用してんのね。日本の歌謡曲(J-POP でなくて歌謡曲ね)に通じるこの「悲壮感と希望のミックス」は日本人に、ひょっとすると人間が好きな手触りなのかも。 話全体が大映ドラマ、歌謡曲っぽいといいましたが主人公の和泉式部がまさに阿久悠が書く女性像とも重なる。「あなた死んでもいいですか」とか言いながら、「着てはもらえぬセーターを」とかいいながら、「女心の未練でしょう」と自身の心境を迷いなく分析して言い切るチカラ。歌詞にはないけれど、翌朝には編んでいたセーターを解き自分で決めた行先に向け船でも列車でも選んで乗るオンナ。男は強い女が見せるいじらしさやはかなさ、可愛らしさが好きなのだ。だって若くて綺麗なお母さんに甘えてるだけなのだから。(作中では宮が非現実な将来の不安を和泉式部に話して甘える場面がある) 和泉式部は自身の立場の弱さ心許なさ繊細さを強く自覚しているし、賢さとセンスといじらしさで雲の上の男を連続で(しかも兄弟)骨抜きにしてしまう。その他の男合わせて10人。でも自分は「なんで悪い噂が立つのかしら」とか言っちゃう。そりゃそう。その10人は100-200人の中からの選りすぐりなのだから本人からすれば十分に身持ちが堅いのだ。 んで決死の覚悟で入った宮のお屋敷も、宮が亡くなったあとは中宮彰子に仕えるわけで。んでまた結婚もするわけで。娘よりも長生きするわけで。(娘がなくなって大ショックでようやく出家) 出来れば最後も出家しないで終わって欲しかったけど、その弱さがまたいいのかな。 本作品中の和歌で1番好きなのはこれ 「山を出でて冥き途にぞたどりこし今ひとたびのあうことにより」 紫式部が指摘する「素行の悪さ」 この歌も 品格ゼロだけど センスと情念(エロスに繋がる)が迸ってる。仏の前でじっとしてた分、和泉式部の中の女性(おんなのさが)が暴れ出すのだ。 平安女性の香と汗、脂っぽい髪の毛まで感じる。 斉藤由貴、広末涼子、藤あや子、荻野目慶子、高岡早紀あたりに音読して欲しい。 中山美穂、はさすがにやめとこう。 にしても 和歌を歌うのも手紙を書くのも、先人達の名作を知らないとどうにもならないっては大変だなぁと思う反面、こういう言葉遊びのレベルが同じくらいの場合は楽しいですよね。 例えば今でも「卒業式かよ」と言う代わりに「なんや、もっと悲しい瞬間に涙はとっておきたいんか?」とか言ったりしますよね。あと上手くいくかどうか50/50でドキドキなときに「えーマジ田中久美」とか。人殴る時に「顔はやめな。ボディボディ。」とか。これと一緒。 読み終わって 恋愛、というか人が生きるというのは少なくともここ1000年はノーチェンジアットオールですねぇ。

Posted by ブクログ

2024/02/20

恋多き女性、和泉式部が恋人の為尊親王と死別した後に出逢った為尊親王の弟の敦道親王との出会いから「召人」として正妻、北の方のいる宮の邸に入ってからまでの日記。 編者の川上裕子さんの解説が面白くてとても分かりやすかったです。 確かに、この内容は教科書には向いていなさそうです。 家集...

恋多き女性、和泉式部が恋人の為尊親王と死別した後に出逢った為尊親王の弟の敦道親王との出会いから「召人」として正妻、北の方のいる宮の邸に入ってからまでの日記。 編者の川上裕子さんの解説が面白くてとても分かりやすかったです。 確かに、この内容は教科書には向いていなさそうです。 家集(個人の歌集)などに出てくる恋人たちが少なく見積っても10人以上はいたらしいモテモテの和泉式部はプレイガールと噂されていたようですが、ここに描かれる彼女の日々はなかなか切ない印象でした。 北の方が邸を出ていってしまうところでぱったりおわっていますが、その後の年表を見ても波乱万丈な人生だったように思えます。 切なくも苦しい恋愛ストーリーの中に、和歌の教養と自らの一途さをアピールしまくっているような本だなと思いました。

Posted by ブクログ

2023/01/02

【概略】  栄華を誇った藤原道長に「うかれ女」と言われ、それに対し「あんたに言われる筋合いはないよ」を「歌」で返す胆力、センスにあふれる歌仙・和泉式部、その和泉式部の恋のうつろいを垣間見ることができる。 2023年01月01日 読了 【書評】  そりゃ教科書に採用されにくいよな...

【概略】  栄華を誇った藤原道長に「うかれ女」と言われ、それに対し「あんたに言われる筋合いはないよ」を「歌」で返す胆力、センスにあふれる歌仙・和泉式部、その和泉式部の恋のうつろいを垣間見ることができる。 2023年01月01日 読了 【書評】  そりゃ教科書に採用されにくいよな・・・ってのが読了後の第一印象。そして、「あぁ、千年の違いがあっても、同じなんだ。人は基本的に、変わらないんだ」という安心が次に。  本書では、恋人であった為尊親王(ためたかしんのう)が亡くなって途方にくれている和泉式部と、為尊親王の弟である敦道親王(あつみちしんのう)との新しい恋のやりとりが取り上げられているのね。もちろん当時は LINE もないしメールもない。手紙でのやりとりになって。もちろん郵便制度も完成してない。小舎人童(こどねりわらわ)がメッセンジャーになって二人の橋渡しをするというね。ツールはどうあれ、コミュニケーションは変わらない。  親王っていうのは天皇の息子、それに対して和泉式部は、出自という意味では低い身分にいる訳よ。でも、和泉式部にはなにかそこはかとない魅力があったのだろうねぇ。そんな魅力の一つがコミュニケーションスキルだったのじゃないかなと思う。位の高い人がキュンとなるような歌、そしてその歌の背景にある過去の歌への造詣、そういったものが和泉式部の言葉には垣間見えるのだよね。こうやって返すのか、なんて思いながら読み進めてしまった。  これは根拠もないし、まだ調べてもいない、勝手な憶測だけど・・・「I love you」を「月が綺麗ですね」にでもしたらどうだと言った夏目漱石は、当時の「月」の重要性をわかってて選んだのかなと思った。基本、逢瀬は夕暮れに手紙のやりとりがなされ、その後、夜に行われる。だから月に関する歌、恋愛に関しての歌に多いような気がする。一緒に見る月、離れていても同じ月を見てる等々、太陽ではなく様々な表情をみせる月だからこそ、I love you を表現するのに月だったのかなとね。  この和泉式部日記、牛車の中での「逢瀬」なんてのもあったりする。現代の車ね。火がついた二人には、もう場所なんてどうでもいいのは、今も昔も変わらないのね。

Posted by ブクログ

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