1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

星新一 一〇〇一話をつくった人

最相葉月【著】

追加する に追加する

定価 ¥2,530

¥220 定価より2,310円(91%)おトク

獲得ポイント2P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2007/03/30
JAN 9784104598021

星新一

¥220

商品レビュー

4.1

42件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/01/26

最相葉月氏がテレビ出演されているのを見て、そういえば読もうと思って未読のままだったなと。 「鴎外青春診療録」で親しみのあるキャラクターとして描かれていた喜美子が新一にとっての祖母に当たるなど、戦前あたりの文芸者の血縁関係の狭さは他でも見るが星新一に関してはSS以外の印象があまり...

最相葉月氏がテレビ出演されているのを見て、そういえば読もうと思って未読のままだったなと。 「鴎外青春診療録」で親しみのあるキャラクターとして描かれていた喜美子が新一にとっての祖母に当たるなど、戦前あたりの文芸者の血縁関係の狭さは他でも見るが星新一に関してはSS以外の印象があまりなく、意外な始まりから物語が進んでいった。 彼の作家としての道筋を歩むに至るまでを語るには、父星一の、それ自体が一つの壮大な伝記を浚わねばならないが読み進める時点では前準備の重苦しさのようなものを感じないでもない。(結局、人民はーーで補完することになるのだが) SSという作品における、作家としての顔しか知ることのない身からすると、実業面での苦悩から立ち上がり、志をともにする仲間との出会いから、作家としての独り立ちに至る物語は望んだようなカタルシスの瞬間と言えた。 文壇での地位を築きつつありながらも、SFやSSという隘路におけるレゾンデートルへの葛藤。彼の死後にようやく作品に触れた自分のような近年の読者層も抱いてしまっていた、「SSの第一人者」なる称賛が、彼にとってどれほど真に望ましいものだったかはこの書に触れて初めて知ることとなる。 晩年に至り、表題の1001作目をものすという時期にあっては、文芸活動を行う中でも最年長に近い地位となっていっそう物語を書き連ねることへのもがきが現れ、作家としての浮き沈みには彼岸のことでありながら真に迫るものを感じる。 ここまで一人の人生を、その作家の死後から始発して辿りうる関係者を訪ね、資料を緻密に渉猟しまとめあげた最相氏のこの本は、学問下の研究者がライフワークとして行うべきような壮大な仕事であり、一方で出版界の売り物としては割にあうのだろうかとも。 同時代の作家との関係性が辿れるものはやはり楽しく、そしてまた読み広げられる関係性が自分の中に蓄積されていく。 安部公房との微妙なバランスが、結びつくことがなかった自分の読書経験に加わった。

Posted by ブクログ

2022/03/08

読む前は、かなり分厚い本なのでひるんだ。 だけどこのページ数は、本書の記述が膨大な取材と参考文献に基づいているからこそ。 星新一という飄々としつつも孤独を内に抱えた天才の人生が、緻密な文章から浮かび上がってくる。 星新一が星製薬という大企業の御曹司だったことも、SFがかつては文...

読む前は、かなり分厚い本なのでひるんだ。 だけどこのページ数は、本書の記述が膨大な取材と参考文献に基づいているからこそ。 星新一という飄々としつつも孤独を内に抱えた天才の人生が、緻密な文章から浮かび上がってくる。 星新一が星製薬という大企業の御曹司だったことも、SFがかつては文学とみなされておらず、苦労があったことも、1001編のショートショートを作るという偉業を成し遂げていたことも、そもそも江戸川乱歩と同時代の人間だったことも知らなかったので、とても興味深かった。 新一は、作品が古びないよう、何度も改稿を重ねたとのことなので、全く昔の人という印象がなかったのだろう。 晩年、SF界の主役ではなくなった新一が、編集者に「あんた、嘘でもいいから、今度ぜひ原稿書いてくださいっていえないの?」と言うエピソードなどがあまりに切ないので、今でも先生の作品はみんなが読んでるよ、と伝えたくなる。

Posted by ブクログ

2019/07/20

非常に読み応えのある人物評伝。ショートショートの達人 星 新一(本名 親一)の素顔に熱く迫った作品。ショートショートは昔いくつか読んだけど、どんな人なのかはほとんど知らなかった。かつて一世を風靡した製薬会社の御曹司だったとは。さらに起業した父 星 一(ハジメ)の事業家としての閃...

非常に読み応えのある人物評伝。ショートショートの達人 星 新一(本名 親一)の素顔に熱く迫った作品。ショートショートは昔いくつか読んだけど、どんな人なのかはほとんど知らなかった。かつて一世を風靡した製薬会社の御曹司だったとは。さらに起業した父 星 一(ハジメ)の事業家としての閃きと行動力と人脈活用には驚嘆する! 作家 星新一と事業家 星 一の2人の評伝のような読み応えになっている。 父に纏わる政財界の面々、新一に纏わる作家の面々、いずれも私たちがよく知る大物たちの名前がずらずら出てくるので非常に興味深かった。 あらためて星新一の作品を読んでみたくなった♪

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品