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円朝芝居噺 夫婦幽霊

辻原登【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社/講談社
発売年月日 2007/03/23
JAN 9784062138055

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円朝芝居噺 夫婦幽霊

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商品レビュー

4.3

10件のお客様レビュー

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2016/10/10

ストーリーの展開が、まるでノンフィクションのようで、楽しめた。 速記録の解読と考察、それに夫婦幽霊の筋立てが入り交じり、読者を先へ先へと誘う。

Posted by ブクログ

2013/12/23

伝説の噺家円朝の未発表演目「夫婦幽霊」がとある国文の研究者の遺品の中から見つかり、はたして偽書か本物かを検証するという流れ。 この小説のほとんどは「円朝でございまする」から始まるこの「夫婦幽霊」が占めている。ところどころで入るしゃれた訳注、最初からメタな感じ、途中で幽霊のごとく出...

伝説の噺家円朝の未発表演目「夫婦幽霊」がとある国文の研究者の遺品の中から見つかり、はたして偽書か本物かを検証するという流れ。 この小説のほとんどは「円朝でございまする」から始まるこの「夫婦幽霊」が占めている。ところどころで入るしゃれた訳注、最初からメタな感じ、途中で幽霊のごとく出現する、その当時にはなかったはずの速記記号など。 円朝とのエピソードはあらゆる作家の(というほどでもないかな)随筆や日記から出てくるのですが、有名どころだと芥川龍之介があげられる。 この作品でも最後に芥川と円朝の倅との共同作品ではないかなぁというやんわりとした落とし方をしている。 結局偽書か本物か、著者の予測通り芥川と円朝倅の共同作品なのかは結論付けられていない。 でも流れ的に、この作品自体がとってもきれいな「奉教人の死」の本歌取りというやつじゃなかろうか。 つまり「夫婦幽霊」自体が「奉教人の死」の『れげんたおうれあ』的なね。 「抱擁」といい、辻原さんやっぱり好きです。

Posted by ブクログ

2011/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつか誰か(久世さんだったろうか?)の書評で見かけて気になっていた作品。 丸善で文庫化して平積みされているのを見て、図書館で借りてみた。 筆者が親戚を通じて受け持ちかけられた「反故」と記された古紙の束。そこには田鎖式という今は途絶えかけた速記で記された三遊亭円朝晩年の未発表作品という可能性が出てきた。 筆者は古本屋の店主には何食わぬ顔で「これも故人の供養・・・」と呟きながら反故束を手に入れ、伝を辿り田鎖式の継承者と連絡を取ると円朝の「翻訳」にとりかかることにする。 その外題こそ「夫婦幽霊」 安政の大地震に際に隠されたとある殺人事件と大金を巡る、男と女の血なまぐさい事件を取り扱った、円朝得意の幽霊噺なのである。 物語は毎夜毎夜、円朝が安政の大地震当時の自分を振り返りながら(なんと、円朝その人も物語の重要な登場人物なのである!)事件の核心に迫っていくという時代ものであり、ミステリーであり、捕り物という落語の魅力てんこ盛りの作品だ。 「口述筆記」ではなく「口演速記」な分、その描写は生々しく躍動感にあふれている。 当時の日本といえば言文一致運動は起こりつつあったがまだまだ生硬な文章語しかひねり出せていなかった。 この背景を考えると彼は言葉の魔術師であり、日本語の文章語の成立に円朝の落語が欠かせなかったという指摘はなるほど、とうなづける。更に日本語の文章語の完成は落語、漢文両方に素養があった漱石の登場を待たねばならないらしいのだがそれはまた別の噺。 金、殺人、幽霊、と生臭い話ながら円朝の滑らかな口上で聞いていると不思議と恐ろしい気はせずどんどん先を知りたくなるから実際の高座はもっと興奮に包まれていたことだろう。 各夜の終わりには訳者の注釈という頁が設けられ、落語や時代背景について不案内な読者への説明が施されている。 そこには筆者の推理なども含まれ「反故の来歴」についてもぽつりぽつりと自体が判明してくる。 そして「円朝噺」自体の翻訳が終了すると「ではこの速記を遺したのは誰なのか?」というもうひとつの疑問が残る。 それについては筆者の推察が光りひとつの結論が導き出され、各夜の注釈が実は大きな複線であった事が判明しする、という非常に凝ったつくりになっている。 口演速記は速記されたものを改めて翻訳するというひと手間加わるため、「録音テープ起し」とは若干異なるものらしい。 なぜなら速記には一人称がひとつしかないため英語の"I"を日本語に翻訳するのと同様に「私」と訳すか俺、ボク、あたしなどと訳すかは翻訳者その人の力量の委ねられるからだ。 速記した本人ならばなるほど円朝その人の言葉をそのまま元に復元することもできようが、当然のことながら速記者本人はもう何十年と前に儚くなっているし、田鎖式自体が風前の灯であるのだという状況を考えるとこの発見はまさに奇跡の発見だったといえるのだ。 現実と創作、作中作(この場合は作中噺?)どこまでが本当でどこまでが創作なのか、幽霊噺のように曖昧な部分が更に謎を呼ぶすばらしい仕掛けが施されている。 これ映像化したらものすごく知的好奇心を刺激する文芸ミステリになりそうな予感がする。 普通に高座に掛けてくれたら聴いてみたいし、こんなにワクワクする作品は滅多にない気がする。 ちょうど宮部の『ぼんくら』『日暮し』を読んで深川の同心の話なんぞにどっぷり浸かっていたもんだからすんなり物語りの世界に入ることが出来た。 ああ、面白かった!

Posted by ブクログ

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