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幽霊人命救助隊 文春文庫

高野和明【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2007/04/09
JAN 9784167717261

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幽霊人命救助隊

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商品レビュー

3.9

360件のお客様レビュー

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2024/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カウンセリングの効果について書かれている本。 「幽霊人命救助隊」という題名、養老孟司さんが巻末の解説でツッコミをいれている。確かにこの奇妙な題名を見て、よし読もう!という気持ちにはならない。しかし、読み始めると止まらない作品。 この本の4人の主人公たちは、それぞれに思い悩んで自死を選んでしまった結果、死後の世界でめぐり会った。そこに突如「神」が現れて、天国へ行く条件として「幽霊として現世に戻り、自死を選ぼうとしている人たちを救出せよ」という任務を与えられ、奮闘する物語。 幽霊となった彼らは、特殊な能力を持っており、幽体が人間と重なると、その人間の意識が流れ込んできて、考えや気持ちがわかる。加えて、救助に使う道具にメガホンがあり、メガホンをとって叫ぶと、思い詰めた人の心に少しだけ届く。 このファンタジーな設定が、自死という重いテーマでありながら、独特な世界観にハマってしまう。 彼らに与えられた能力「重なった相手の意識が流れ込んでくる能力」は共感力と言える。また、道具の「メガホン」は、相手を思いやる言葉。 これは、「相手の悩みを自分の事のように受け入れて、相手を思い、言葉をかける」。救助隊はカウンセリングをおこなっている。 救助しなければならないクライエントは100人。この中にはつい感情移入してしまうキャラがいる。 福原君や内村さんに感情移入すると、私まで怒りの感情が湧き上がる。しかし、少し落ち着くとフィクションであることを認識し、怒りの感情は消えてしまう。これは私の感情の動きだが、本の中でも語られている。 幽体が人間と重なり合ったときの主観と客観の違いを「人の悩みというものは本人にしかわからない」と気付かせる描写や、悩む人を傍から見て「死のうとする人たちの問題は心の中だけにある」という発言。 私はこれを、「共感」があった時、自分のつらさを共有するコトだけではなく、客観的な視点をもらえることによって、自分の主観と客観の認知のゆがみを正すことにより、成長できるのだと考える。 主人公の祐一は、自分を自死まで追い詰めた父親と相対することになる。物語では父親の気持ちを受け入れ、恨んでいた気持ちを手放して、父の幸せを願う気持ちに昇華させた。 難しい問題を祐一は成し遂げ、神と約束した天国へ行く条件をクリアする。エピローグで一人の女の子と3人の男の子が同じ病院で同じ日に生まれる。すやすやと寝ている赤ちゃん、戦いに出る前の、束の間の安息の中にいた。という言葉で締めくくられて物語は終わる。 あれ?神様は天国に行かせてあげる約束では? 読むと元気が出る本。

Posted by ブクログ

2024/05/07

「この世は、無責任な人ほど楽に生きられる」という文章が心に残っている。思い返すと、自分の周りの心を病んでしまった人たちはみんな責任感が強く真面目な人だった。 逃げることを選ぶことは強さである事を知った。自分の周りの人は、自身が思っていたより遥かに強い人間だった。 心を病むことは必...

「この世は、無責任な人ほど楽に生きられる」という文章が心に残っている。思い返すと、自分の周りの心を病んでしまった人たちはみんな責任感が強く真面目な人だった。 逃げることを選ぶことは強さである事を知った。自分の周りの人は、自身が思っていたより遥かに強い人間だった。 心を病むことは必ずしもその人の弱さの証明では無いことを再度認識した。また、そこから立ち直るには他者の介入が必須であることを感じた。せめて自分の周りの人間だけでも塞ぎ込んだ中に手を差し伸べられるように、繋がりをこれからも大切にしたいと思った。

Posted by ブクログ

2024/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わったが、なんとも感想を書きづらい。感じたことを文章にするのが難しい。 最初は少し斜に構えて読んでいたところは否めない。 しかしとても長い話なので、段々と登場人物に感情移入した。ヤクザの八木さんも好きになってしまった。人は共に過ごした時間が長いほど相手を好きになるのかもしれない。 原因の大抵は鬱だと最初から想定していたが、それが原因なのか結果なのかは別として、やはり切っては切れないものなのだろう。 私は人と関わるのが苦手で一人を好む。いくら他人の助けを借りるのが大切と言われても…と思っているが、そう思っている限りはこのような事態を避けることはできないのだろうな。 ラストはすごく良かった。読んで良かったと思える作品だった。長いけど。 これからも生きていたくないと思う瞬間が訪れると思うけれど、そんな時はこの本のことを思い出そうと思う。

Posted by ブクログ

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