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イスラーム戦争の時代 暴力の連鎖をどう解くか NHKブックス1057

内藤正典【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本放送出版協会
発売年月日 2006/04/27
JAN 9784140910573

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イスラーム戦争の時代

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商品レビュー

3.5

3件のお客様レビュー

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2012/01/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

【内容/まとめ】  筆者は欧米における近年(出版は2006年)の現状—イスラーム•フォビアが、もはやテロだけでなくイスラームそのものを敵視している、一段階対立の深刻度の増した状況と解している。筆者の認識では、過去二十年(とくに9・11以後)の不満や憤慨から、西欧近代文明の果実をとり、その制度を受け入れるふつうのムスリムにまで、イスラームが個人の心を超えて政治社会へ反映されるべきだとするイスラーム主義者の考えが広がっているとする。その内容として欧州各国におけるイスラームを巡る諍いやトルコの立ち位置などを通して、欧米(とくにヨーロッパ)の一貫性のなさ、移民政策の問題、植民地支配への反省のなさ、中東への軍事力の行使が問題を悪化させている現況と解している。  筆者の認識で特有なのはイスラーム個人の意志に焦点を当てる点である。現在生じているのは文明(間)の衝突—イスラームとキリスト教の対立ではなく、「…西欧文明がもつ規範の体系と、イスラームの規範の体系とに大きな隔たりがあるために、双方の文明に属する人間どうしが対立」していると解した上で、ムスリム個人のの戦時意識の高まりからジハードの動きを説明する。イスラームはヒエラルキーを認めないために、本質的に法学者が出したフォトワーに絶対的に従う必要はなく、最終的には個人の判断で自らの義務を認識する。逆に言うと、それゆえ、もし彼らがイスラーム社会の不公正な現状どから、理念としてのイスラーム共同体が攻撃に晒されているとの認識を確かにしたのならば、ジハードによって共同体を守る事は、神に課された義務として絶対化される。理由無き殺人を禁じている個所とジハードを肯定する記述の比較考慮になり、個人としてジハードを優先すると、暴力の他に公正を回復する手段を認めない。そこでの犠牲はコラテラルダメージとして扱わる。そこから、筆者は、ムスリムを穏健派と過激派に分ける意味は無いと言い(p73)、今はジハードを認めない人が多いだけであるとする。さらに、「イスラームの教えは平和的であるからテロをするムスリムはイスラームの教えに反する」という説も退け、状況次第によって個人の自発的暴力が生じるとする—そのため組織も本質的に必要ないという。ひとたびジハードを認識すれば、公正が回復されない限り戦いをは絶対化し、神の課した義務であるゆえ、当人は責任を回避され、結果は神に「丸投げ」し、来世が確約される。  イスラームが神の法である以上、人の定めた世俗の法との兼ね合いは、最終的には信徒各人が自分の信じる「正しい信仰」にしたがって判断することになる。そのため、イスラームとの共生は国家の枠組みではなく、非ムスリムがムスリムという人間存在の根本を知ることから始まる。 【感想】  イスラームを理解するための入門書だと感じる。欧米とムスリムとの摩擦からイスラームにおける規範、行動様式を簡単に説明している。本書では、個人の判断としてのムスリムの行動に重きが置かれている点が特徴である。スンナの場合、宗教上の階層が無いので、個の自発的判断から「正しい信仰」を選びとる。それがジハードだと認識した場合、それを暴力的行為で行なう場合にも来世は確約され、個人の責任は回避される。この議論には幾つかの疑問が生じる。まず一つに、ジハードは暴力的なものだけかということだ。共同対防衛は必ずしもハードな手段ではない、ソフトな戦いは存在しないのか?もしそうであるなら、なぜか。二つ目は個の主体性についてである。個人が信仰について「正しい」と感じれば、その結果を「神に丸投げ」出来、責任は問われないのでは個の主体性はなくなる。  本書の主張、ムスリムを穏健派と過激派に分ける意味は無いという視点は大事である。普通、人間を「穏健な人間」「過激な人間」とい風に分けたりはしない。ムスリム過激派という言葉自体、便宜上のものであるが、その便宜を得る主体のイスラームへの価値判断が含まれている事に自覚的であるべきだ。人間はそもそも善悪の両方を抱え込んだ存在である以上、安易な言葉のチョイスで分かった気にならないことが大事だと感じる。

Posted by ブクログ

2011/10/03

ムスリムは1つの共同体。人種、民族、所属する国家を超えて1つの共同体を構成するという意識を持っている。この共同体のことをウンマという、人種や民族が異なっていても信仰のうえではアラーへの絶対的な帰依がムスリムたる条件である。 法制度において西洋とイスラムでは異なる。 オランダはムス...

ムスリムは1つの共同体。人種、民族、所属する国家を超えて1つの共同体を構成するという意識を持っている。この共同体のことをウンマという、人種や民族が異なっていても信仰のうえではアラーへの絶対的な帰依がムスリムたる条件である。 法制度において西洋とイスラムでは異なる。 オランダはムスリムに寛容的である。 アメリカには文明の衝突を引き起こす軍事力はあっても支配を実現するための経験と論理がない。一方、国家理念への執拗なこだわりや国民国家の原則を堅持する欧州諸国はより深い部分での衝突をイスラムとのあいだにもたらす。 西欧が作り出した人の法とが支配する国家、イスラムが作り出した神の法が支配するムスリムの両者が原理的に整合しないことは明らか。

Posted by ブクログ

2006/09/29

現代のイスラム社会を見る視点が変ります。難しい内容を分かりやすく説明してあるので、学術的だけど読みやすい。

Posted by ブクログ

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