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日本残酷物語(1) 貧しき人々のむれ 平凡社ライブラリー95

宮本常一, 山本周五郎, 揖西高速, 山代巴

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社
発売年月日 1995/04/15
JAN 9784582760958

日本残酷物語(1)

¥880

商品レビュー

3.5

16件のお客様レビュー

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2021/08/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

道ばたに倒れ伏すものは数かぎりなく、はじめのうちこそ死体を埋めていたが、まもなくだれ一人としてかえりみるものはなくなった。いたるところに犬やカラスがむらがって、死体を食いちらす光景がながめられた。 この飢饉のときといえども人間が家畜に近かったのではなく、家畜が人間に近かったのである。 飢えの記録 より  明治十二年九月十三日埼玉県北足立郡中尾村の農民はコレラ流行防衛のために、県が避病院に患者を隔離しようとしたのに対し、村民は患者の生肝をとるのだと誤解しこれを妨害した。 新潟県西蒲原郡では消毒薬をまくのを毒薬を撒布すると誤解して暴動を起こしている。 そこには、無知の暗黒と、じぶんたちの仲間以外の者に対して冷酷なまでの非情が見られるのである。 自然の悪霊 より  堕胎のことを当時の隠語で「水にする」といい、水にされた子どもの死体を水子といった。水子は藁や菰につつんでひそかに川へ流したり、社寺の境内にうめられた。 間引きと堕胎 より いわゆる「歴史」というスポットに当たることのない市井の人々の暮らし、またはその人間そのものに焦点をあてた編集書籍。まとまりがないと言えばないし、それこそ膨大なのですが、監修者、執筆の協力者(主に民俗学者や)は20人以上。 口承をまとめたもの、語りをほとんどまま(ばりばりの方言)収録したものなど様々です。語り部が暗い部屋でぽつりぽつりと話し始めているような生っぽさ。足を使って集めてきたその「話」の数々は、ときとして悲惨でどうしようもなく、情感溢れる形で、けれども淡々と語られています。 暗記を主にした学校の授業にはない、確かに人が生きていた、という距離感があったように感じました。そもそもそれが民俗学なのかもしれませんが、土地や地域にフューチャーしたというよりかは、暮らし、人、差別的な観点から見られていて、それは現代にも通ずることだと思います。 自然の悪霊の章などを読んで、今も昔も、という感想を抱くのは自分だけではないのかもしれません。コロナの風邪扱い、反ワクチン派、陰謀論。つい最近炎上した某メンタリストも似たような視点のようにも思える。 書籍や歴史をただの知の塊として見るのではなく、過去の悲惨な出来事、暮らしの積み重ねがこの国の一部としてあるということ。 面白かった、ではすまないほど、自覚と自問と気付きのある読者時間でした。

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2021/08/01

難破船を糧としている海辺の人びとがいたことは、現在ではほとんど語られなくなっている。  福山のそばで日本住血吸虫による被害があったことは現在では場所が特定されないように書かれている。  からゆくさん、についても書かれているが、これは他書のほうがより詳しい。  1959年版は、活字...

難破船を糧としている海辺の人びとがいたことは、現在ではほとんど語られなくなっている。  福山のそばで日本住血吸虫による被害があったことは現在では場所が特定されないように書かれている。  からゆくさん、についても書かれているが、これは他書のほうがより詳しい。  1959年版は、活字が細くて薄く、厚いのが欠点である。

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2017/03/21

昔のか弱き庶民の悲惨な物語集 1960年ごろに初版が発刊された書籍の第2版を再編集した書籍。1800年から1900年半ば頃までの昔の日本を舞台に繰り広げられた庶民の日々の生活について,インタビューや伝記,文献などをもとに綴られた伝聞記となっている。 乞食,老人,赤子,女といっ...

昔のか弱き庶民の悲惨な物語集 1960年ごろに初版が発刊された書籍の第2版を再編集した書籍。1800年から1900年半ば頃までの昔の日本を舞台に繰り広げられた庶民の日々の生活について,インタビューや伝記,文献などをもとに綴られた伝聞記となっている。 乞食,老人,赤子,女といった世の中で弱い立場の人々がどのように過ごしてきたか,生死に関わる日々の営みについて,強奪,捨老,間引きなど今となっては残酷な内容も惜しげもなしに語られている。ただひたすら,そうした物語が綴られている。 冒頭1/3が乞食や飢餓に関する物語,1/3が老人に関する物語,最後の1/3が赤子と女の物語という流れになっていた。基本的には一つの物語は8ページくらいのぶつ切りで,一部ある登場人物に焦点があたった数十ページの話があったりする。 一部哀愁を感じるようなものがあった。例えば,棄老(弱った老人を山に捨てること)の場面で,実の子に捨てられようとしている老人が,自分の子が自分を捨てた後にちゃんと家に帰られるように,道中に印を残したという,子を思う気持ちを歌った以下の短歌など p. 332「奥山に しおる栞は 誰のため 身をかき分けて 生める子の為」 個人的にはいまいちだった。というのも,ただの昔の物語がひたすら書かれており,先につながったり役に立つような内容と思わなかったからだ。単純にページ数も500ページと量が多く他人に勧めようとも思わなかった。面白かったら全7巻を一気に読んでもいいかなと思ったが,断念した。 昔の日本について知ったり,歴史や民俗に興味のある人はよいかもしれない。

Posted by ブクログ

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