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若夏記 今野寿美歌集

今野寿美【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/
発売年月日 1993/07/05
JAN 9784309008479

若夏記

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2021/09/11

「若夏」という言葉が素敵だ。今野寿美さんは横浜市立大学の卒業生で、娘の先輩にあたる。「あくがれて峠こゆれば水無月の尾瀬がひつそり抱く水のかさ」「首都に秋あふれて真昼いにしへは<もみち>といひしさやけさが降る」「両翼の裡ゆくりなく見せて翔ぶ鷺はゆらりとあくまで白き」「一生に恋はひと...

「若夏」という言葉が素敵だ。今野寿美さんは横浜市立大学の卒業生で、娘の先輩にあたる。「あくがれて峠こゆれば水無月の尾瀬がひつそり抱く水のかさ」「首都に秋あふれて真昼いにしへは<もみち>といひしさやけさが降る」「両翼の裡ゆくりなく見せて翔ぶ鷺はゆらりとあくまで白き」「一生に恋はひとつであるべきに卯の花ぬらすやはらかき雨」「夏ゆけばいつさい棄てよ忘れよといきなり花になる曼殊沙華」「曼殊沙華もしは昔の血がさわぐそんな昔があらばよからむ」「トレモロのやうに自転車丘に消ゆこの世をかの世と呼ぶときあらむ」「セロリーをぱきんと折ればたつ霧のそこから始まりさうなやさしさ」「されば若夏 放つておいても枇杷みのりひとの往き来のしづかさの外」「遠くなるほかなき昭和そののちを刻みて枇杷は雨にも灯る」「枇杷と杏子と星と熟れたるあたたかさ笑ひてにじむ涙のやうな」「欲と俗見てしまひたる夕ごころそろそろ鶴に還りませうか」

Posted by ブクログ

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