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シェル・コレクター 新潮クレスト・ブックス

アンソニードーア(著者), 岩本正恵(訳者)

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商品詳細

内容紹介 内容:貝を集める人. ハンターの妻. たくさんのチャンス. 長いあいだ,これはグリセルダの物語だった. 七月四日. 世話係. もつれた糸. ムコンド
販売会社/発売会社 新潮社/
発売年月日 2003/06/25
JAN 9784105900359

シェル・コレクター

¥550

商品レビュー

4.2

40件のお客様レビュー

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2024/04/08

収録作「ハンターの妻」でO・ヘンリー賞を受賞したドーアのデビュー短編集。全八篇。 ページを開くとその世界に入り込める物語の作り方がとてもうまい。 リアルを忘れたい人にオススメ。→ 「ハンターの妻」「世話係」「ムコンド」の三作品は特に没入感がすごい。短編なのに長い物語を楽しんだよ...

収録作「ハンターの妻」でO・ヘンリー賞を受賞したドーアのデビュー短編集。全八篇。 ページを開くとその世界に入り込める物語の作り方がとてもうまい。 リアルを忘れたい人にオススメ。→ 「ハンターの妻」「世話係」「ムコンド」の三作品は特に没入感がすごい。短編なのに長い物語を楽しんだような充足感が味わえる。大好き。 「長いあいだ、これはグリゼルダの物語だった」はラストの爽快感がたまらない。 「七月四日」のブラックコメディ感は癖になる。

Posted by ブクログ

2024/04/06

現実と地続きに、霊的なるものが混じりあい、溶けてゆく。 そしてそれは奇跡や恩寵ではなく、極めてシンプルでナチュラルなこと。 「きちんと目を向けさえすれば、自然の美しさや荒々しさの中に確かに存在している“何か”に気づけるはずだよ」、と語りかけられているかのよう。 そして本書から...

現実と地続きに、霊的なるものが混じりあい、溶けてゆく。 そしてそれは奇跡や恩寵ではなく、極めてシンプルでナチュラルなこと。 「きちんと目を向けさえすれば、自然の美しさや荒々しさの中に確かに存在している“何か”に気づけるはずだよ」、と語りかけられているかのよう。 そして本書からは、「幸せな結末とは呼べないなくても“善きもの”を求めることが、人はできるはず」というメッセージも差し出されている。 細やかで丁寧な情景描写が連なり、時折はっとする煌めきを放つ言葉がある。 痛みの先に静けさと慰めがある。 どの短編からも、著者の優しさや繊細さが伝わってくる。 “無知はー結局のところ多くの面でー特権だった。貝を見つけ、触れ、なぜこれほど美しいのか言葉にならないレベルでのみ理解する。彼はそこに限りない喜びを見出した。そこには純粋な謎だけがあった。” “頭上には、星がナイフの先端のように硬く白く輝いていた。彼の言葉を運んだ息は凍って結晶し、どこかに飛んでいった。言葉そのものが形になり、力尽きて消えたようだった。” 『世話係』のラストが好きだ。 リベリア内戦の殺戮を抜けてアメリカへ亡命してきたジョゼフは、己が故国で見聞きしながら残してきたもの、生き延びるための代償として犯した過ち、それらの全てに絶望しながら、森の僅かばかりの空き地に野菜の種を蒔く。 その空き地に、浜辺に打ち上げられて死んでいったクジラの心臓を彼は埋葬したのだ。 クジラを養分として芽吹いたメロンの果実を口にしたときに、弔うことのできないものに絡めとられていた彼の心にも再生の可能性が兆す。 “もう一度やり直さなければならないとしたら、クジラを丸ごと埋めよう。誰の目にも見えるくらい大きく色鮮やかな菜園を作ろう。雑草もツタもそのまま育てて、どんなものでもそのまま育てて、あらゆるものがチャンスを得られるようにしよう。” 食べたメロンの種をそっと包みポケットにしまうシーンはとてもうつくしい。

Posted by ブクログ

2024/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自然の美しさと残酷さ、非日常感と、前編に漂う孤独感や喪失感がとてもいい1冊でした。 若い頃に書いた短編集だと聞いて驚くほど、練られていて文章も(翻訳ですが)読みやすく、想像できないような、あるいは幻想的な風景や世界も目に浮かぶようでした。 貝を集める人 盲目の老貝類学者の話 ガラスの夢の描写や、見たこともない貝や海の描写がとにかく美しくきれいで好きだった。 世話係 ジョゼフが作った菜園、ベルと心を交わした日々、そしてラスト、メロンを2人で食べるシーンの切なさがとっても好き。 蛇足ですが、小川洋子が好きな人は好きかもと進められて読んだんですが、すごく似通ってるわけでもないけど、自然の描写がきれいなのにどこかグロテスクで不気味な感じとかがそうなのかも、と思いました。 この作家の違う作品にも挑戦してみます。

Posted by ブクログ

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