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カゲロボ

木皿泉(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2019/03/22
JAN 9784103524311

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商品レビュー

3.5

88件のお客様レビュー

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2023/12/20

木皿泉さんといえば、クスッと笑えるけれど、なんともいえない奥深いものを残してくれるドラマや小説…といったイメージ、それにこの表紙から、もう楽しむ気満々で読み始めました。 でも、今回の木皿泉さんは全然違う! 人間そっくりのロボットが職場や学校に入り込み、イジメや虐待がないか監視して...

木皿泉さんといえば、クスッと笑えるけれど、なんともいえない奥深いものを残してくれるドラマや小説…といったイメージ、それにこの表紙から、もう楽しむ気満々で読み始めました。 でも、今回の木皿泉さんは全然違う! 人間そっくりのロボットが職場や学校に入り込み、イジメや虐待がないか監視している、それがカゲロボ。 読み始めは都市伝説のようだったカゲロボ。 それがどんどん読み進めていくうちに、世にも奇妙な物語的な世界観になったり、ものすごく現実的っぽかったり…。 短編集で、それぞれのお話でカゲロボは違う形で登場してくるのですが、人間の弱かったり狡かったりする心を抉ってくるのです。全くクスッとはできません。 作中、何度か苦しみの象徴に蓋をして、縫い込み、見えなくしてしまうという場面が出てきます。それは、ザックリと開いた傷口を縫って、もう一度やり直せということ。小説家はいつも針と糸を持ち歩いて、破れたところを見つけたら、とにかく縫うのが仕事だと。 だから私はいつも小説に救われているんだなぁと、そんな風に思いました。 カゲロボは本当にいたのか?自分自身が作り上げた幻想なのか?なんとも不思議なお話でした。

Posted by ブクログ

2023/12/05

ご夫婦で脚本家をされているお2人の小説第3作目の作品。 人間そっくりなロボットが人間社会に紛れ込んでいて密かにターゲットを見張っていると言う嘘かまことか不明な都市伝説に沿った話から始まる短編集。 そっくりロボットは人間にとどまらずネコや金魚や鉄の箱や痴漢の指などなどまで笑 肌 ...

ご夫婦で脚本家をされているお2人の小説第3作目の作品。 人間そっくりなロボットが人間社会に紛れ込んでいて密かにターゲットを見張っていると言う嘘かまことか不明な都市伝説に沿った話から始まる短編集。 そっくりロボットは人間にとどまらずネコや金魚や鉄の箱や痴漢の指などなどまで笑 肌 足 目 声 指 顔 汗 影 傷 の9篇から成っているちょっと不気味で怖いけどドキッとする真実味も醸している♪ さらっと読み終えることができるけれど、それぞれの篇にドキっとさせられる箇所が散りばめられていて結構じっくりと考えながら読まれされてしまった。 まるで絵空事とも言い切れないのを現実社会現象から受け取る昨今だけに! そしてエピローグ部分とプロローグ部分とがきちんと繋いであるのもなかなかでした。

Posted by ブクログ

2023/12/01

 社会の随所に配置され、ある状況に置かれた人間を見守るアンドロイドと、彼らによって人生が変わっていく人間を描く、SFヒューマンファンタジー連作短編集。           ◇  「人間そっくりに作られたロボットがこの社会に溶け込むようにして我々のすぐそばで暮らしているらしい。」 ...

 社会の随所に配置され、ある状況に置かれた人間を見守るアンドロイドと、彼らによって人生が変わっていく人間を描く、SFヒューマンファンタジー連作短編集。           ◇  「人間そっくりに作られたロボットがこの社会に溶け込むようにして我々のすぐそばで暮らしているらしい。」  笹野冬がタケルからそんな話を聞いたのは小学3年生の時だった。理髪業を営むタケルの父は顔剃りの時のはだ触りで人間とロボットの違いがわかるという。  けれど、タケルの父は急に痴漢の疑いとやらで逮捕され、タケルも転校していなくなったあと、冬はロボットの話を忘れてしまっていた。  冬がその話を思い出したのは中学1年になり同級生が自殺して大騒ぎになった時だ。クラスの男子たちがまことしやかに話しているのが聞こえてきた。  曰く、人間そっくりのロボット「カゲロボ」が学校や家庭等に入り込み、いじめや虐待がないか監視しているらしい、と。  曰く、自殺事件の翌日に同級生のGが早退したのは、自殺の原因となったイジメの犯人として逮捕されたからで、その証拠映像を警察に提出したのが「カゲロボ」である、と。    やがて男子たちの話題は誰がカゲロボなのかに移ったのを機に、教室をあとにした冬だったが……。(第1話「はだ」) 全9話。       * * * * *  都市伝説を扱った小説かと思ったけれど、本当に「カゲロボ」と噂されるロボットが登場する作品でした。おまけにカゲロボは人間型にとどまらず、ネコ型、金魚型なども出てきます。  おもしろいのは、ミッションが完了するとヒューマノイドは姿を消すし、それ以外のロボットは回収されてしまうということで、回収しにくるのもロボットなのです。  気に入ったのは第4話「こえ」で、箱型のロボットが登場します。人間そっくりでなく、ロボットであることは明らかで、それまでのカゲロボとは異なるタイプです。   この箱ロボはイジメにより不登校になった中島という中学生の代わりにクラスにやってきました。授業を中心とする学校の様子を、自宅に引きこもる中島に伝える役割を担います。と同時に人間の中島のように食事もすればトイレにも行くのです。  第4話のポイントは2つあります。  1つ目は、箱ロボが自分では動くことができないという点です。当然、お世話係が必要になります。  2つ目が、そのお世話係に指名されたのがイジメた側のツチヤという同級生であるという点です。  ツチヤは担任から(半ば強制的に)依頼され、11kgもある箱ロボを持ち(しかもカメラが常に前を向くよう配慮しつつ)、食事(流動食です)の世話やトイレ(「尿的」な液体が飛び出します)の世話を焼き、中島宅への送り迎えまでをすることになったのです。  最初はイヤイヤ世話をしていたツチヤですが、世話を続けるうちに箱ロボに対して奇妙な愛情を感じるようになっていきます。そして、京都への修学旅行を迎えました。  班行動となった京都でツチヤは……。  このカゲロボプロジェクトの持つ意味が明確になってくるのが、この第4話です。  その他では第6話「かお」が印象的でした。  娘が生まれたばかりで離婚することになった若い夫婦。どちらが子どもを引き取るかでもめた末、公平になるよう娘そっくりの成長型アンドロイドを申請して作ってもらい、1人ずつ引き取ることにします。  ベッドに並んだ2人の赤ん坊はどちらが人間でどちらがアンドロイドか区別がつきません。  選ぶだんになって、神経質な母親の方が先に(人間である方を)見極めて選ぶのですが……。    なんとなく鉄腕アトムを思い出しました。  一見ホラーっぽい作りの話もありますが、1話ずつ読んでいくうち、カゲロボが何のために社会に投入されているのかがしだいに明確になっていきます。  木皿さんの人間を見つめる優しい目線を感じる9つのお話でした。

Posted by ブクログ

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