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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2018/08/10 |
JAN | 9784488010829 |
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こうしてイギリスから熊がいなくなりました
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こうしてイギリスから熊がいなくなりました
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『真夜中は埋葬とどこか似ており、まるで重い岩のように、どの家にもゆっくりとのしかかっていった。そうして過去を覆い隠し、未来を遮ってしまうのだ。希望も目標も、すごすごと立ち去ってしまった。そして、そうしたものが消えている間、世界はぐるりと様変わりするのである』―『Ⅰ精霊能』 唐突...
『真夜中は埋葬とどこか似ており、まるで重い岩のように、どの家にもゆっくりとのしかかっていった。そうして過去を覆い隠し、未来を遮ってしまうのだ。希望も目標も、すごすごと立ち去ってしまった。そして、そうしたものが消えている間、世界はぐるりと様変わりするのである』―『Ⅰ精霊能』 唐突だが、ヒトの業[ごう]の深さ、ということを思う。もちろん他人事とは言い切れない後ろ暗さを感じながら。人が醜さに如何に惹かれていたかをこれでもかと証拠立てて示したエーコの文章を最近読んだこともあり、ミック・ジャクソンの「こうしてイギリスから熊がいなくなりました」の中で書き連ねられるヒトの欲深さ、醜悪さ、残忍さのようなものを単純ににやりと笑って読み飛ばすことが出来ず、着地点を見失った気分になってしまう。呻吟した挙句、例えば「香水」の著者でもあるパトリック・ジュースキントの「ゾマーさんのこと」を思い起こさせる、と言ってみると、ようやく、何か腑に落ちるような気になる。 とはいえ、この本の中で展開するのはどちらかと言えば寓話的な物語。短い九つの章からなる頁数も多くない本で語られるのは、如何に熊がイギリス人によって酷い目に遭わされてきたかを、熊を擬人的に扱うのみならず知性を持った存在として昔話風に(ただし文明批判めいた口調で)語る物語。デイヴィッド・ロバーツによる挿絵もブラックながらもユーモラスなタッチで、「絵本」という雰囲気さえ漂う本書だが、ジャクソンの筆致は文明人ぶっている我々が如何に酷いことをし続けてきたかをそこはかとなく皮肉っていて、一皮むけば今でもそういう本性は変わっていないのだということを意識させる。軽い気持ちで読むと後からしっぺ返しを喰らうかも知れない。 こういう本を読むと、物語の正しい使われ方、とでも言うような妙なことを考えてしまうのだが、どことなくミヒャエル・エンデの「モモ」と通じる思想を感じもするジャクソンの文章に、倫理めいた調子はない。しかし、余程露悪的な性格の持ち主でない限り、イギリスから駆逐されてしまった熊に託された様々な差別の隠喩を読み取ってしまうのが自然なことだろう。ただ、それに気付いたからと言って、それを反証的に取り上げて多様性だの共存だのという言葉で自らの立場を守るべく語ってみても余り意味はない。ヒトにはそういう一面があるのだということを自覚する以外の教訓はないのだ。それは決して過去の非文明人がしたことではなくて、文明人を名乗る自分たちの未来における評価でもあるのだ、と心しておかねばならないこと。短いけれど響く人には響く本だと思う。
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『10の奇妙な物語』に続いて2つ目のミック作品 相変わらず不思議でおかしいくてどこか切ないお話たちでした あとがきに書かれている英国と熊(も含めた野生動物)の関係を読むと また最初から読み返したくなります デイヴィッド・ロバーツによる挿絵も秀逸ですので 物語とあわせて楽しめると思...
『10の奇妙な物語』に続いて2つ目のミック作品 相変わらず不思議でおかしいくてどこか切ないお話たちでした あとがきに書かれている英国と熊(も含めた野生動物)の関係を読むと また最初から読み返したくなります デイヴィッド・ロバーツによる挿絵も秀逸ですので 物語とあわせて楽しめると思います
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めっちゃ好きな雰囲気だった…。 人々に恐れられ、見世物にされた彼らは、ある夜を境にイギリスから姿をくらましてしまった…。 デイヴィッド・ロバーツの愛らしくも禍々しい熊と民衆が語る、絶滅してしまう以前の熊たちの物語。
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