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残響(3)
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残響(3)
¥330
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
静かな熱量を孕んだ隠れた佳作。 死にかけの老人に銃を託された天涯孤独な少年の逃避行。 言ってしまえばそれだけなのだが、ヤクザの情夫にされていた美少年と知り合って、その甥も含めた疑似家族を作るなど、波乱万丈のドラマがある。 長くしようと思えばいくらでも長くできるのに、スパッと贅肉を...
静かな熱量を孕んだ隠れた佳作。 死にかけの老人に銃を託された天涯孤独な少年の逃避行。 言ってしまえばそれだけなのだが、ヤクザの情夫にされていた美少年と知り合って、その甥も含めた疑似家族を作るなど、波乱万丈のドラマがある。 長くしようと思えばいくらでも長くできるのに、スパッと贅肉を切り捨てて3巻で収めた技巧がすごい。 ヤクザへの復讐に絡んでもう少しイザコザがあるのか想像したが、思ったよりスマートに展開し、むしろ智の心境の変化や、魁也との絆の掘り下げに尺を割いた感。 家族も恋人も友人もなく、帰る場所も行く先もなく孤独だった智が、守るものを手に入れたことで強くなる。 そう説明すると陳腐だが、魅也の為なら女装や同性との交渉も厭わずとことん汚れきる覚悟には痺れる。しかも女装した智の吹っ切れた美しさといったら…… 大悟と悟は同性愛関係だったが、女装することでなお引き立てられる内面の崇高さや、ジェンダーを跨いだ妖しい魅力が十分に表現されている。 智が魅也に対し抱いていた感情は紛れもない家族愛にして父性愛だが、女装することで亡き大悟の母性もまた引き継いだのだ。 クライマックスは衝撃的だが、私はただ悲惨なだけの話とは思わなかった。 智は魅也が強い子に育ったことを見届けて満足し、魅也も智の遺志を受け継ぎ、独りでも逞しく育っていくはずだ。 逃避行に巻き込まれた善意の犠牲者を思うとやるせないが、はたして銃を手に入れず死んだように生きながらえるのと、短い間でも想い合える家族を持ち自分の意志で最期を決められたのと、どちらが智にとって幸せだったか考えれば答えは自ずと出る。
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高橋ツトムで『残響』全3巻、読んだ。 幸せな人生ってなんだ。 自分の境遇を、不幸をぶち破っていく、逃走漫画。 私の心を視認できたら、すごい爪痕だろう。 高橋作品の駆け抜ける感がすっかりクセになってる。 導入の「猛暑なのに、年々暑さを感じなくなる。体がちゃんと、生きてない...
高橋ツトムで『残響』全3巻、読んだ。 幸せな人生ってなんだ。 自分の境遇を、不幸をぶち破っていく、逃走漫画。 私の心を視認できたら、すごい爪痕だろう。 高橋作品の駆け抜ける感がすっかりクセになってる。 導入の「猛暑なのに、年々暑さを感じなくなる。体がちゃんと、生きてないからか…」が天才。この物語の軸だ。 言葉のカッコよさと画面の暗さがあいまって、印象に残りまくる。すごいパンチ力。 主人公に対しては色々思うところがあるけど、答えがでない。 “生きてない日々”が良いのだろうか。 生きてない日々をおくっていれば、今頃…。 物語の途中、誰も得しないであろうセックスシーンがあるのだけど、そのキャラの肉付けにめちゃくちゃ一役かってる。こいつはこーいうやつなんだなって。山椒的な一味足してる。 この作者は、そういうの上手いのかもしれない。このシーンたぶん要るなっていう。
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復讐を遂げた後、結局警察に包囲されて撃たれて死ぬ。よくあるパターン。ここで逃げ延びれば面白いのだが。
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