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ポエムに万歳! 新潮文庫

小田嶋隆(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2016/09/01
JAN 9784101205519

ポエムに万歳!

¥220

商品レビュー

3.8

6件のお客様レビュー

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2017/08/24

我が国首相・安倍晋三はよく夕方6時から記者会見を開く。すると、私が 唯一きちんと見ている夕方のテレビ・ニュースが官邸によってジャックさ れることとなる。 仕方がないので見る。というか、顔を見たくないので聞く。用意された 原稿を読んでいるだけなのに、何を言っているのか分か...

我が国首相・安倍晋三はよく夕方6時から記者会見を開く。すると、私が 唯一きちんと見ている夕方のテレビ・ニュースが官邸によってジャックさ れることとなる。 仕方がないので見る。というか、顔を見たくないので聞く。用意された 原稿を読んでいるだけなのに、何を言っているのか分からない。 「全国放送を使ってポエムを読んでんじゃないよ」 こんな風に突っ込んでいることが多い。首相だけではない。本書で著者 が取り上げている元サッカー選手・中田英寿の引退表明のコメント(?) なんてニュースで読み上げられた時に「この人、大丈夫か?」と思った。 ポエムが氾濫していると著者は言う。それは昔々と違って、インターネット が普及して誰もが「書く」という行為を気軽に出来るようになったから。 そうだよな。インターネットがない時代、文章を書いて発表する場と言った らプロの物書きになるか、同人誌を作るか、自費出版するか、町内会の 「お知らせ」に載せるかとかで、非常に限られた範囲だものね。 ハードルが低くなった。その分、誰もが書いて発表できる。例え書いた 内容が意味をなさなくても、書いた本人は満足。言葉遣いの間違い なんか気にしない。雰囲気さえ伝わればいい。これぞ、ポエムである。 このポエムが生まれるに至った道筋を考察する過程が素晴らしいんだ。 小田嶋さん、やっぱり冴えている。 本書は月刊誌などに連載されたコラムをまとめた作品なので、ポエム 以外にも「お笑い」や「高齢者の犯罪」などについても考察している。 それでもポエムの章は身につまされるよ。だって、私自身、日々、こうし てネット上に「ポエム」を綴っているのだから。 自分もそうだけれど、みんな結構、書くことが好きだよね。人によって 内容の完成度は千差万別だけれどさ。

Posted by ブクログ

2017/05/04

オダジマ節が好きな人向け本ですね。 私もポエムは恥ずかしいと思っちゃう派なので、最近(といっても10年以上前からだけど)のポエム化する番組はあまり好きじゃない。最近は揺り戻しが来ている気がするので、この傾向が続くといいな。

Posted by ブクログ

2016/11/27

「ポエムは、書き手が、詩であれ、散文であれ、日記であれ、手紙であれ、とにかく何かを書こうとして、その「何か」になりきれなかったところのものだ」 「たとえば、書き手が冷静さを失っていたり、逆に、本当の気持ちを隠そうとしてまわりくどい書き方をしていたりすると、そこにポエムが現出する...

「ポエムは、書き手が、詩であれ、散文であれ、日記であれ、手紙であれ、とにかく何かを書こうとして、その「何か」になりきれなかったところのものだ」 「たとえば、書き手が冷静さを失っていたり、逆に、本当の気持ちを隠そうとしてまわりくどい書き方をしていたりすると、そこにポエムが現出する」 「・・・、照れかくしをしようとしている時、人はポエマーになるわけだ」 「書き手が何かをごまかそうとする時、文体はポエムに近似する」 「[ポエムの需要は]あるんじゃないですか。何かを直視したくないときとか、真っすぐに伝えたくないとか、ごまかしたいとき」 「ところが「ポエム」では、何か意味を曖昧にしておいて、「この辺のこんな感じ」という提示の仕方で、つくる側がちゃんとつくり込まずに「ぽいよね」みたいなところで、安易につくられています」 「で、ポエムが詩と違う点は、・・・、自分という存在そのものがテーマになってしまっていること」 「ポエムというのは、それこそ、私が、私の、私へ、私はという、何か一人称の主語がむくむく出てくるもんです」 「「伝わるか」という検証が一切なされていない感じがします。「伝えたい」はあるけれど」 □ 現実に於いて定在できる場所を切り拓くことができず、それゆえにいっそう思惟の中で膨張し過剰となり重苦しくなってしまわずにはいない自我。それを鎮静化させ以て現実の中で存在余地を確保しようと悶絶葛藤すればするほど、却って思考対象は自我そのものに占領されていく。 そのとき、現実と折り合えずにいる自我の弱さ・卑小さ・浅ましさを直視できず、その苦悩が自分だけが抱きうる深遠なものであるかのように――ひいてはそうした苦悩を抱える自我そのものが他者と比較不可能な特権的な何かであるかのように――自己に対しても他者に対しても偽装しようとするとき、そこで垂れ流される意味深で思わせぶりな言葉の羅列が「ポエム」と称される。 他者からの救済を期待して自分の苦悩を言葉で表現しようとしつつも、その苦悩の陳腐さ・凡庸さを見透かされることを、つまり自己が他者の意識の中でオブジェクト・レヴェルに引きずり降ろされるれることを、自己否定されてしまうことのように極度に恐れている。それゆえに、苦悩の表出は明確な意味を結ばないどこまでも迂遠で思わせぶりな「ポエム」となる。理解されることを願っているというよりも、不可解なまま心配だけされたがっているということ。 ↑こういうやつ。 いろいろ言い当てられたような気分。

Posted by ブクログ

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