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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2016/01/01 |
JAN | 9784093884358 |
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少年の名はジルベール
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少年の名はジルベール
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4
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ジルベールといえばいまや魔性の少年の代名詞になっているけど、その生みの親であり名作「少女」漫画『風と木の詩』の作者による自伝的なもの。漫画家として上京してきてから『風と木の詩』誕生前夜までが書かれている。 意気揚々と上京してきて萩尾望都や増山法恵といった同志と「大泉サロン」を開き...
ジルベールといえばいまや魔性の少年の代名詞になっているけど、その生みの親であり名作「少女」漫画『風と木の詩』の作者による自伝的なもの。漫画家として上京してきてから『風と木の詩』誕生前夜までが書かれている。 意気揚々と上京してきて萩尾望都や増山法恵といった同志と「大泉サロン」を開き、『風と木の詩』的なものを書きたいと自分や周囲と戦っていく。竹宮惠子というと著名な漫画家だし学問や教育の場でも活躍した才媛という印象だったけど、これほど悩み苦しんだ時期があったのかという印象。一方で、この人は天才系ではなく努力系・理論派なんだなと思った。だから、学問や教育としても漫画をとらえることができ教えることができるんだろう。 学生運動にもちょっと首を突っ込み、でも自分は少女漫画で革命を起こそうと決めた竹宮惠子。そしてそのとおりのことをなし得た人。もちろん一人でできたわけでなく、1970年代のあの頃、様々な才能の化学反応が起きてのことだろう。そんな若者の熱さから生まれた物語を読ませてもらった。 それにしても、知識的には既知の事ではあるけど、少女漫画って少年漫画より一段……いや数段低く見られていたんだなあ。少年漫画のほうがよほど思想や思い入れがなさそうな感じがするのに。ただ単に、スポーツやゲームの世界のように男たちが自分の好きなものを社会的なものに位置づけ、それ以外を低く見ているだけのようにも思うのに。 でもこの本を読んで思ったのは、そういう思想とかとは別に技術的な理論のようなものが少年漫画ではだいぶ確立されていて、それによって一段高く見られていたのかもということ。それにしたって、書き手はともかく編集者に女性がほぼいなくて女性の視点が入っていなかったからってことだと思うけど。
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竹宮惠子が『風と木の詩』というライフワークと出会い、それを実現するための葛藤と苦悩、盟友との出会いを綴った自伝。 萩尾望都と竹宮惠子が同居し、そこに数多の才能が集った奇跡、二人の才能と仕事を深く理解していた増山法恵の存在…宿命のようなドラマがあったんですね。 彼女たちが勝ち取って(時には身を削り)切り開いた新しい少女漫画の表現や技法に、どれだけ多くの少女たちが影響を受けたでしょうか。
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萩尾望都「一度きりの大泉の話」を生んだ本。「一度きり…」から「扉はひらく いくたびも」を経て、やっとたどり着きました。たまたま同世代に生まれ、ともに少女マンガというジャンルを起点とするクリエーションに身を捧げ、大泉の一軒家に2年過ごす、という強烈な相乗を経て、やがて決して交わらな...
萩尾望都「一度きりの大泉の話」を生んだ本。「一度きり…」から「扉はひらく いくたびも」を経て、やっとたどり着きました。たまたま同世代に生まれ、ともに少女マンガというジャンルを起点とするクリエーションに身を捧げ、大泉の一軒家に2年過ごす、という強烈な相乗を経て、やがて決して交わらないフォボスとデイモスになった、ふたりでふたつの物語。萩尾望都にはポエジーを、竹宮恵子にはロジックを感じる、ということは「扉は…」を読んでの感想でしたが、今回「少年の名は…」を読んで、竹宮恵子のストレートかつダイナミックな感情の動きに改めて驚きました。意志、憧憬、嫉妬、懊悩、赤裸々です。萩尾望都の感情の密やかさと好対照だと感じました。竹宮、外向き、萩尾、内向きという全く違うベクトルが作品のエネルギーになっていたのだと思います。特に、本書でわかったのは、徳島大学時代、1年間、マンガを離れて学生運動について考えたという時期の存在。その結論が「私の革命はマンガでする」という宣言。竹宮恵子はプロのマンガ家になる前からイデオロギーの人だったのです。24年組の「少女マンガ革命」的なまとめ方は、竹宮にとってはストライクで、萩尾にとって?なテーゼだったのでしょう。そして「一度きり…」でも「扉は…」でも存在感を発揮していた増山法恵が、まるでイタコの口寄せのようにありありと召喚されているのが、本書の凄さ。第三のキーマンが特に竹宮恵子の創作にとって重要だったことが理解できます。そのエキセントリックな言動をリアルに今、蘇らせる竹宮恵子の無邪気さも面白いぐらいに怖いです。萩尾をモーツアルトとすると竹宮は才能のありすぎるサリエリだったのではないか、が前の2作を読んでの見立てでしたが、ふたりのモーツアルトの前で、サリエリだったのは増山だったことがよくわかります。この三人の偶然がマンガという芸術にとっての必然であったことが、われわれの幸せなのかもしれません。それが今、無邪気竹宮の「少年の名は…」きっかけで萩尾の反論も含め顕在化したことも、読者にとっての幸せなのかもしれません。
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