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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日経BPマーケティング |
発売年月日 | 2016/01/01 |
JAN | 9784822251024 |
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経済学私小説 〈定常〉の中の豊かさ
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経済学私小説 〈定常〉の中の豊かさ
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4件のお客様レビュー
小説としての複雑な作り込み(を意図したと思われるもの)はあまり感心しなかったが、マクロ経済学の復習、もしくはマクロ経済学理論の応用(実社会へのフィット)を知ることのできる秀作なのではないか。経済学部生の副読本としても良いように思った。自分としては、読みながらどのモデルを用いている...
小説としての複雑な作り込み(を意図したと思われるもの)はあまり感心しなかったが、マクロ経済学の復習、もしくはマクロ経済学理論の応用(実社会へのフィット)を知ることのできる秀作なのではないか。経済学部生の副読本としても良いように思った。自分としては、読みながらどのモデルを用いているのかがわかるのは楽しく、しかしモデルが完全に理解できていないことが確認できて少々落胆もした。 またこれは小説の体裁ならではのことだが、孤高の経済学者が社会でどのような仕打ちを受けているかも描かれていて、それが想像通りの面があり微笑ましくも悲しかった。特に「中高年の作文コンクール」の項では主人公として描かれた経済学者の主張に私は強く賛同する。
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現行の経済を研究者の著者である戸独楽戸伊佐の原稿をもとに編集者が解題のやりとりを書いた作品。 経済の問題のみならず原発や経営者との対談など経済に精通する研究者の論点と解題がノンフィクションであり、フィクションであると感じるとともに、政府などへの提言など鋭い指摘も盛られており、物...
現行の経済を研究者の著者である戸独楽戸伊佐の原稿をもとに編集者が解題のやりとりを書いた作品。 経済の問題のみならず原発や経営者との対談など経済に精通する研究者の論点と解題がノンフィクションであり、フィクションであると感じるとともに、政府などへの提言など鋭い指摘も盛られており、物語として楽しみながら教養を身につけることができました。 いくつかの話で指摘されている物価上昇と交易条件の関係性についてはたいへん勉強になりました。 また、番外編については編集者である立退矢園が小説を書いており、そちらは馴染みやすい内容から戸独楽氏とは違った論点から書かれているところも面白いと感じました。 日本経済の問題点を考えさせられるとともに物語も楽しむことのできた一冊でした。
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基本的には「父が息子に…」の続編的な内容。前作で容赦なく散りばめられていた数式は本作では影を潜め、代わりに短編小説のようなフィクション形式での叙述が主体となっているが、「現実経済における諸問題の検討→モデル化→公表データで検討」という流れは引き継がれている。 本書の「定常性の持...
基本的には「父が息子に…」の続編的な内容。前作で容赦なく散りばめられていた数式は本作では影を潜め、代わりに短編小説のようなフィクション形式での叙述が主体となっているが、「現実経済における諸問題の検討→モデル化→公表データで検討」という流れは引き継がれている。 本書の「定常性の持つダイナミクス」というテーマは、要は「当局のポジショントークに惑わされず、きちんと公表データを見て、停滞しているとばかり見られがちな現状のうちに何が起こっているのかを冷静に見出そう」ということだろう。現下の日本経済停滞の主因が交易条件の長期的悪化であり、物価の下落によるものとは言えないこと(つまり逆説的ながらデフレ自体が悪なのではない)、日銀の金融緩和が日銀券の増刷などではなく実は民間銀行の準備預金により成されてきたこと(ということは、マイナス金利で準備預金が減れば緩和効果も消失?)などは、政府高官の説明に真っ向から反するもの。しかしその根拠となる数字がまさに政府発表の統計からロジカルに導き出されるものだけに有無を言わさぬ説得力があり、現在政府が謳う成長戦略や金融政策の怪しさを再認識するには十分。基本的に過去の公表データからの分析なので将来動向への言及が少ないが、軽々しく将来予測を口にするエコノミスト達の文章よりは遥かに信頼が持てる。 個人的には、純設備投資と消費の関係を表す式の使われ方に恣意性が見られることの指摘に喝采。経済学の「=」って、論理式の「ならば」を使うべき場面にも使われたりするから厄介だ。 一昔前の倒叙ものの本格推理小説みたいな本書の建て付けが奏功しているかは大いに疑問。ただ、あなたがやけに威勢のいい政府見解と身の回りの風景との間のギャップに違和感を感じるならば、この本にその理由が書かれている可能性は非常に高いと思う。
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