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火打箱
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火打箱
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商品レビュー
3.9
9件のお客様レビュー
アンデルセンの童話が、読者を美しくも禍々しい場所に引きずり込むダークファンタジーに生まれ変わった。「若い人も読みやすいように」と添えられたデイヴィッド・ロバーツの挿絵も素晴らしい。一気に読めるがその結末に唖然、お腹にずしりと重いものが残る。 アンデルセンの「火打石」は読んだことあ...
アンデルセンの童話が、読者を美しくも禍々しい場所に引きずり込むダークファンタジーに生まれ変わった。「若い人も読みやすいように」と添えられたデイヴィッド・ロバーツの挿絵も素晴らしい。一気に読めるがその結末に唖然、お腹にずしりと重いものが残る。 アンデルセンの「火打石」は読んだことありましたが、ずいぶんアナーキーな話だなと思いました。アンデルセンが「即興詩人」で一発当てた後に書いた子供向けの童話だったのですが、子供向けというだけで世間の評価は芳しくなかったようです。 〈原作〉では主人公の兵士は戦地から故郷に戻る途中ですが本作では脱走兵。オットーという彼は、逃げる途中で死神に出会い、うまくやり過ごすことができます。そこから彼の運命は思わぬ方向に転がり始めるのですが、彼には常に戦争の悪夢が付きまといます。家族を殺され、兵士にならざるを得なかった少年が幸せを手にすることができるのか。戦争が齎す悲劇という重いテーマが読後にのしかかります。 著者は物語の舞台を欧州の三十年戦争に置いていますが、戦争の暴虐は今も続くロシアによるウクライナ侵攻にも通ずるところがあり、決して過去のものではないことを痛感します。夢でも魔法でもない現実に向き合う糧がこのファンタジーにはあるように思います。
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思った以上にダークな物語でした。横書きであること、沢山の挿絵が不思議な世界とよく合っていて、魅き込まれます。画家の他の作品や、アンデルセンの火打ち箱も読みたくなりました。
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ダークな世界観。 大人向け童話という感じでした。 子供の絵本のようにイラスト満載なのですが、どれもちょっとゾッとする絵(笑) ラストも・・・・。 アンデルセンの「火打箱」を読んだことがないので、そちらも読んでみたい。
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