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怪社奇譚 二十五時の社員 だいわ文庫

黒木あるじ(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 大和書房
発売年月日 2015/09/12
JAN 9784479305569

怪社奇譚 二十五時の社員

¥220

商品レビュー

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2021/05/03
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生きるには金がいる。その為に会社に行かねばならないが、その会社に怪異がいたら貴方はどうするだろう。逃げるために辞めれば食うに困るが、逃げ出したい程怖い。そんな怪異がそこにいて、今日も明日も貴方を待っているとしたら。 *** 大変久しぶりの怪談の本。会社にまつわる怖い話ばかりを集めた一冊で、作者は黒木あるじさんということで期待大の作品。そして、期待通り全体的に怖く満足のいく本だった。読んでいて、自分の職場でこんなことが起こったら本当に嫌だなぁと思いながら読んだ。前書きにあるように、怪異が怖いから仕事を辞めるというのは、かなりリスクがある。しかし、実害のある怪異だと命にかかわることもあるかもしれない……。ほかの怪異より非常に質が悪いかも。 怖い話は何話もあったが、特に度肝を抜かれたのは「給湯室二題」。 「給湯室二題」は二つの話が書かれているが、怖かったのは一話目。雑居ビルに入っている語り手の会社は別の会社と給湯室を共有していた。そしてその給湯室には誰が張っているのかは知れないが、利用にかかわる張り紙がしてあった。貼り紙の内容自体はいたって普通だが、その枚数がどう考えても多い。しかも、それは日増しに増えていき、内容がどんどんとおかしくなっていく……。 これはなんとも気味の悪い話だった。ふいに来た眠気でうとうとしながら読んでいたのだが、その眠気が吹き飛ぶほど不気味話。初めの貼り紙はやや小うるさい感じではあったのだが、給湯室をきれいに快適に使おうという意図を感じられたのでまだよかった。 それが、日を追うごとに内容がおかしくなっていき、意図が分からなくなってくる。攻撃性を帯びていたり、支離滅裂だったりと常軌を逸していた。この辺りでもうだいぶ不穏な雰囲気。 貼り紙をしている人物が誰かが分からないのが、まず気持ちが悪い。そして、内容も気持ち悪い。意味が分からないし、意図も全くわからない。この貼り紙をしている人物(生きた人間なの?)がこの給湯室でどんな光景を見たり聞いたりしているのだろう。やがて、その内容がより支離滅裂になっていくわけだが、その過程が本当に怖かった。こんな貼り紙をする人物が近くにいるかもしれない、同じ建物の中で仕事をしているかもしれない。外部からの人間だったとしても、その執拗さは純粋に身の危険を感じる。 そして最後にとどめの一撃をお見舞いされるわけだが、このとどめに思わず縮み上がってしまった。これが本当にあったことなのだと思うと、その貼り紙を見つけた彼女と語り手はよっぽど怖かっただろう。くだんの貼り紙は触らぬ神に祟りなしということで放置されているが、そんなものが同じ会社内にあると思うと憂鬱。いつか呪いの産物に豹変しそうで怖い。

Posted by ブクログ

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