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新釈 走れメロス 他四篇
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新釈 走れメロス 他四篇
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商品レビュー
3.9
132件のお客様レビュー
古典作品のリメイク?リブート?オマージュ? 学生落語みたいだなと思った。物語を作り替える上でひとつの題材や焦点を見つけ出して、そこに徹底的にこだわって書く。 原作を読んだことがあると、その取捨選択具合が手に取るようにわかる 「おまえもやってみろ」と言われれば、多分、百人百通り...
古典作品のリメイク?リブート?オマージュ? 学生落語みたいだなと思った。物語を作り替える上でひとつの題材や焦点を見つけ出して、そこに徹底的にこだわって書く。 原作を読んだことがあると、その取捨選択具合が手に取るようにわかる 「おまえもやってみろ」と言われれば、多分、百人百通りの走れメロスが出来上がる それでも森見登美彦の走れメロスが読みたい!と思うのは、この作品が単なる古典の改作やパクリではない理由なのではないか
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#読書記録 #新釈走れメロス他四編 #森見登美彦 近代文学稀代の傑作が、斎藤秀太郎を特異点として、四畳半の世界で多元宇宙的に重なり合う。 多元宇宙的展開は森見氏の得意とするところで、「#シャーロック・ホームズの凱旋」にも共通しているね。 5編の物語をここまで森見ワールドに変...
#読書記録 #新釈走れメロス他四編 #森見登美彦 近代文学稀代の傑作が、斎藤秀太郎を特異点として、四畳半の世界で多元宇宙的に重なり合う。 多元宇宙的展開は森見氏の得意とするところで、「#シャーロック・ホームズの凱旋」にも共通しているね。 5編の物語をここまで森見ワールドに変換してしまう罰当たりな手腕に脱帽するよ。 #読書好きな人と繋がりたい #読了
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- ネタバレ
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山月記 かた焼き煎餅のような中島敦の文体が、森見登美彦作品と非常に親和性が高いなと感じる。「その行方については、なんの手がかりもなかった。誰一人、彼を探そうとしなかったからである。」という山月記ではありえない阿呆らしくも悲しい一文に笑ってしまったり、「下宿を灰燼に帰せしめる」という森見登美彦作品でしか見られないザ京大生ワールドをしみじみ味わったりしていたが、 「今の俺は、万人を軽蔑する中身のない傲慢が、ただ人の形を成しているだけのものだ。だからこそ天狗なのだ」 という一文に、ただの天狗じゃなく「天狗になる」という意味もかけられているのか、と気づいてなるほどなと思わせられた。元ネタの山月記も「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の末にその象徴として「虎」となるけれどそのモチーフがしっかり踏襲されているのは流石だなと思わせられる。 藪の中 原作と同様、一つの事象をさまざまな人間の視点から見ていく語り口となっている。原作と違い辻褄が合わない点こそないものの、最後には、なるほどな、と思わせるクスリと笑える展開があった。要するに、変態趣味の男に色んな人が付き合わされた話。 走れメロス 原作とは違い、「友を信じない」ことで友情を証明するというひねくれているけど、突き抜けていっそ感心すらさせられるザ森見登美彦ワールド的存在。桃色ブリーフはもちろん、人々に賞賛などもちろんされもせずやけっぱちの「美しく青きドナウ」で踊る姿がいかにもでとても好き。 桜の森の満開の下 原作の女は男を破滅に導くが、今作に登場する「女」は逆で、男を成功へと導く。その差はあれど、どこかそれに満足せず自ら女の元を離れていくというのが合い通じるところであり、そうリライトしたのかと思わされた。ひたすら物書きに邁進するというのが、原作とは違う点であるが、破滅的な原作とは違ってどこか救われる点がある最後に感じた。 百物語 唯一原作を読んでいないので、比較ができないものの、ぞくっとするような怖さを兼ね備えながらもどこかおかしみがあり、森見登美彦ワールド満載の短編であった。
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