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死せる者の書
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死せる者の書
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商品レビュー
4
8件のお客様レビュー
短編集。〈パラディスの秘録〉四部作の三作目らしい。 ホラー、ファンタジー、ミステリ、恋愛が混ざり合い、ジャンルの分類が難しい不思議な作品集。 「鼬の花嫁」はホワイダニットもののミステリとして読めるし、「世界の内にて失われ」はコナン・ドイルの名作のオマージュだとしたらSFだし。 全...
短編集。〈パラディスの秘録〉四部作の三作目らしい。 ホラー、ファンタジー、ミステリ、恋愛が混ざり合い、ジャンルの分類が難しい不思議な作品集。 「鼬の花嫁」はホワイダニットもののミステリとして読めるし、「世界の内にて失われ」はコナン・ドイルの名作のオマージュだとしたらSFだし。 全体的に好きな雰囲気。 特に「月は仮面」がダークファンタジーとして素晴らしい。主人公が空を飛ぶ描写が美しい。傑作です。
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幻想の都パラディスを舞台に、死をテーマにした短編集。ひっそりとした死の影には、激しいほどの情熱や愛が隠されている。その死と生の、そして動と静のイメージの対比が印象的だった。
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- ネタバレ
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タニス・リーの創作した、パリをモデルとした都パラディスにまた戻って来れるとは思いませんでした。 死と妖美な退廃の香り漂うパラディスにあっては、この本に収められている8つの物語など、あるいは日常茶飯事なのかもしれません。 どの物語も、狂おしいほどの愛の末に、死を見出し、死に魅入られる物語だったと思います。しかもこの本で描かれる死とは美しいものでも醜いものでもなく、平凡なもの。そのような印象を受けました。(つまり、十人並みの容姿の相手に焦がれて身を滅ぼす者が多数ということ) 正直、この本を読み終わるのにだいぶ時間がかかってしまいました。 死を題材にした短編集だけあって、どこか陰鬱で重々しい冬の夜のような物語ばかりでした。そういう雰囲気がお好きな方には、とてもいい短編集だと思います。ある意味では、非常にタニス・リーらしい短編集ですね。 でも、いかんせん登場人物に感情移入しにくいところがあったりします。短編集だからある程度仕方ないのかも。 でも、パラディスの墓地の様子がよくわかるのは、とても面白かったです。 個人的には、どのお話にもそのお話なりの良さがあって、どれが一番とかは決められませんでした。 不思議な都パラディスの中でこそ許される物語。 やはり我々はリーの目を通して、パラディスを視ているのかもしれません。 このシリーズを読むたびに、そう思わずにはいられません。 この都に住みたくはないけど、この都の存在を忘れないようにしたい。 読んでいると、そんなことを考える短編集です。
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