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リロ・グラ・シスタ the little glass sister
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リロ・グラ・シスタ the little glass sister
¥605
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商品レビュー
3.1
22件のお客様レビュー
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私立吏塚高校の屋上で葉群という男性生徒の遺体が見つかる。遺体には墜落死の痕跡があり、犯人が屋上から落とした後で再度持ち上げたという疑惑が出るか・・・。最も疑わしい校舎に残っていた人物から無罪証明を依頼される「吏塚の名探偵」。喉を煙で焼きながらハードボイルド風の意妙な学園ミステリ開演。 後に遠海事件を書く詠坂雄二のデビュー作。事件としては死体が持ち上げられた以外は平凡、殺されてもおかしくない学生が屋上から突き落とされた。打って変わってあまりに異質すぎる登場人物達、煙草で喉を焼く「吏塚の名探偵」、「情報屋」、愛と体を切り売りする「売春生徒」、等身大の青春から大きく離れたリアリティの薄い設定になっている。それでハードボイルド調の物語を展開するのだからびっくりだ、この湿ったドロッとした感じを高校生で出すのだからすごい。 主人公は自分が犯人であることを殊更隠そうとしてないのだが作者によって最後のページまで核心に至る記述は省かれている。主人公は写真のネガの在りかと観鞍の男装の理由、そして観鞍の無罪証明の依頼の為に動いているのであって真相究明は既に終わっていたのである。全てが明らかになっても「吏塚の名探偵」の人物像は見えてこない。葉群の殺しも脅しを恐れたのか、単純に流出される根本を消しにかかったのか分からない。父に言った殺しの告白も冗談なのか、或いは過去に場数を踏んでいるのかも分からない。謎は謎のままで不思議な魅力を残して物語は終わった。
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主人公の私がハードボイルド探偵の役目を担い、学校の屋上で発見された墜死死体の謎を解くミステリ。 高校生の情報屋、高校生の娼婦など、割とどこかで見た事のある登場人物ながら、掛け合いは見ていて心地よい。 肝心の主人公の叙述トリックは、一人称から考慮の範疇ではあった為、それ程驚きはなかった。 一方、観鞍茜の入れ替わりトリックはミステリ読みとしての浅さも相まってか気付かなかった。
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ゲームが好きなので「インサートコイン(ズ)」を読んで、その続編を読んだつもりが実は「遠海事件」の続編を読まされる騙し討ちをされ、その前に最初のを読んでおこうと手にした一冊。 高校生探偵が高校生情報屋や高校生娼婦などとハードボイルドなやり取りで事件に挑む話。 この独特な世界観...
ゲームが好きなので「インサートコイン(ズ)」を読んで、その続編を読んだつもりが実は「遠海事件」の続編を読まされる騙し討ちをされ、その前に最初のを読んでおこうと手にした一冊。 高校生探偵が高校生情報屋や高校生娼婦などとハードボイルドなやり取りで事件に挑む話。 この独特な世界観を何の説明もなしに誇張された表現で押し付けられ、それが「ギャグ」じゃないという拷問。 この世界も文体も、トリックを成立させる小道具という事なんだろうけれど…。 中高生が変わったミステリを書きたくて頑張ったかのような作品な印象。
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