「「人生で読むべき本のヒントになります」池上彰 『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』 「この本は3日間で2回読みました」遠藤保仁 『グアルディオラのサッカー哲学』 「震災後の生き方がわかる」小林武史 『日本の文脈』 「30代で読み返して面白さに驚いた」角田光代 『清兵衛と瓢箪・網走まで』 「恋愛では自慢できるという生き方もいい」島田雅彦 『コレラの時代の愛』 水曜日に放送される「スミスの本棚」は、コーナーに登場した本が翌日書店で売り切れ、出版社が即座に増刷を決定するほどの人気があります。そんな大好評を博した番組を余すことなく書籍化。しかも、森本智子アナウンサーによる「取材メモ」や「読書メモ」まで収録。登場したゲストの意外な素顔や、本の感想、番組の裏側まで楽しめます。」

1540 山田五郎 編集者時代に学んだことは、「好き」という感情は受動的なものではなく、たいて いのことは自分から興味を持とうとすれば好きになれるという事実です。モノや情報 をお節介にも読者におすすめするのが、情報誌の仕事。そのためには自分自身がその 対象を本気で好きにならなければ、読者に伝わりません。つまり、好きになること自 体が仕事なんですよ。 角田光代 中学生か高校生のころに読んで、まったくわからないと思ったのですが、 ばごろになって読み返して、あまりの面白さにびっくりした小説です。本って、読み 手の年齢とともに意味が変わるんだ、ということを知ったんですよね。 私は、多分、読み手を信じていないところがあるのかもしれないですね。ものすご く言葉を尽くして説明しないと、自分が見ているものを読み取ってもらえないかもし れない、と感じて,まう。女性の心理とか、家族の関係性について描いていてもそう です。だから、表現をいかにそぎ落としていくか、というのが私にとって課題になる のかもしれません。 短編小説というのは、身近な人間の現実や真実、夢みたいなものを、少量で書くわ けね。だから単刀直入に主題がわかって、無駄も変な緩みもないほうがいい。終わり 閉じていなくて、読み手にゆだねられる部分が多い。だから、考えさ る。人生の細部のきらめきを見せてもらえるってこと かな ビジネス書ばっかり読んで、いかに成功するかとか、いかに貯蓄するかみたいなこ とに興味がある人も読むべきだと思う。仕事じゃパッとしなかったけど恋愛に関して は自慢できるんだという生き方もある。モテモテだったという意味じゃなくて、「ひ とりの女をこんなに愛したんだ」という栄光もあるということをこの本は教えてくれ ますね。

人生は努力だけはどうにもならないことばかり。人間、万能ではない。その中でいかに生きるか できるかできないかを、やってみる前に判断するのは自分の可能性をみくびることだ。自分はどのようになる可能性も秘めているのだ、と 佐渡裕：こころの処方箋河合隼雄　夢を言葉にして常に意識に置いておくこと 玄侑宗久：茶の本岡倉天心　結局、東洋で生まれながら西洋を完全に席巻してしまったものっていうのは、お茶しかないんですよね 吉行和子：深沢七郎外伝　どうしてもみんな、辛いことがあると、世の中のせいにしたり、人のせいにしたりして、不満ばっかりをつのらせちゃう