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思考する言語(中) 「ことばの意味」から人間性に迫る NHKブックス1131

スティーブン・ピンカー(著者), 幾島幸子(訳者), 桜内篤子(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本放送出版協会
発売年月日 2009/03/27
JAN 9784140911310

思考する言語(中)

¥385

商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

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2012/06/16

第4章は、カント『純粋理性批判』のカテゴリー論から、物質・空間・時間・因果について、言語学的考察を行っている。空間は時間に比べて多義性が高いが、underなどは「雨が降り込まない場所」といったデジタル的かつ人間の生活に根ざした認知構造があり、これは心理実験からうらづけることができ...

第4章は、カント『純粋理性批判』のカテゴリー論から、物質・空間・時間・因果について、言語学的考察を行っている。空間は時間に比べて多義性が高いが、underなどは「雨が降り込まない場所」といったデジタル的かつ人間の生活に根ざした認知構造があり、これは心理実験からうらづけることができる。はっきりした動きとそうでない動き、出発点や終了点だけを意識している空間語彙などの構造は、名詞(物質)の可算・不可算に相当する。時制やアスペクトにもこの可算・不可算の面はある。因果は力と関係がある。主体や客体のダイナミズムによって、「引き起こす」「にもかかわらず静止」「にもかかわらず動く」「阻止する」といった面があり、また、マッチを擦って火がつくという現象には、酸素があるといった原因は考慮されていない。これは人間生活に根ざした因果理解である。第五章は、メタファー論である。文学だけではなく、日常や政治、科学理論にもメタファーがあるというレイコフの理論が確認され、その極端な相対主義を批判し、メタファーそのものより根源的で生物的基盤を主張するジャッケンドフの穏健主義を支持している。また、思考にはアナロジーが使われ、アナロジーの裾野の広がりも指摘している。第六章は、名付けである。クリプキの「固定指示詞」の理論を紹介し、科学的認識にも名付け問題があること(冥王星は惑星か否か)に言及、子供のなづけには個人の行動の集積と相互作用が全体的構造をつくりだすとしている。意味については「それについて考えるために入っていかねばならない概念領域では、私たちの実際的な判断力は機能するように進化していない」というマッギンの言葉を引用し、言葉の魔術性も指摘している。新語の定着や蝶を指す音の連鎖が各国独自であるなど、興味深い話題がつきない。

Posted by ブクログ

2010/10/06

中巻では、上巻で抽出された認知の四要素「物質」「空間」「時間」「因果」の四点についての分析から始まる。いきおい名詞や前置詞などの話が多くて、英語が苦手な私には実感がわかない部分も多かったが、この中では「因果」の話がとても面白かった。二つの前後する出来事の間に、人間がどのように因果...

中巻では、上巻で抽出された認知の四要素「物質」「空間」「時間」「因果」の四点についての分析から始まる。いきおい名詞や前置詞などの話が多くて、英語が苦手な私には実感がわかない部分も多かったが、この中では「因果」の話がとても面白かった。二つの前後する出来事の間に、人間がどのように因果関係を推論するのかという議論で、これはヒュームの「人間本性論」からきちんと読んでみたい! 他では「メタファー」と「名付け」が重要なトピック。それぞれわかりやすくまとまっていて、特に「名付け」の部分は「新語はどのように生まれるのか」「なぜ名前に流行があるのか」などの問いのたて方が面白くて、楽しんで読めた。ただ、このへんの話題をきちんと理解するにはレイコフの「レトリックと人生」やクリプキの「名指しと必然性」を読む必要があるんだろうなあと思う。きちんと読んだ後にまたこの本に戻ってくれば、新たな発見がありそう。

Posted by ブクログ

2010/07/12

[ 内容 ] 人が世界を認識し、思考する際に欠かせないのが、「物質」「空間」「時間」「因果」という生得的概念である。 名詞、前置詞、動詞、時制などの検討から、言語に組み込まれた概念を詳しく分析し、人の心は幾何学的な世界把握とは異なり、目的や意図に沿って、対象物や出来事を柔軟に捉え...

[ 内容 ] 人が世界を認識し、思考する際に欠かせないのが、「物質」「空間」「時間」「因果」という生得的概念である。 名詞、前置詞、動詞、時制などの検討から、言語に組み込まれた概念を詳しく分析し、人の心は幾何学的な世界把握とは異なり、目的や意図に沿って、対象物や出来事を柔軟に捉えることを明らかにする。 また、現実世界を異なるフレームで解釈するためのメタファーは、政治や科学などの複雑な問題を理解し、推論する上で有効であると示す。 さらに、ことばと人間心理・社会の間のダイナミックな関係を、人の名前や流行語を切り口に具体的に考察する。 [ 目次 ] 第4章 世界認識の四つの方法―物質・空間・時間・因果(カントの四つのカテゴリー 物質はどう認識されるか―名詞の考察から 空間はどう認識されるか―前置詞の考察から ほか) 第5章 メタファーがいっぱい!―ヒトの思考の仕組みを解く(メタファーのメタファー―思考とはメタファーを理解すること 「興ざめ説」と「救世主説」 すべては概念メタファーから?―レイコフの相対主義 ほか) 第6章 名前をめぐる謎―命名にかかわる人間本性(ことばの意味はどこにあるのか? 新語はどのようにつくられるのか? 人はなぜ名前をつけるのか? ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted by ブクログ

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