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ボルヘスパラケルススの薔薇 バベルの図書館22

ホルヘ・ルイス・ボルヘス(著者), 鼓直(著者)

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定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 国書刊行会
発売年月日 1990/08/01
JAN 9784336030429

ボルヘスパラケルススの薔薇

¥1,870

商品レビュー

4.3

8件のお客様レビュー

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2020/07/24

調べ物をしていて、ふと、この本にボルヘスの未読の小説が 収録されていることを思い出したので 古書を購入(良心的価格でした、ありがたや……)。 ボルヘス自身の編纂による 『バベルの図書館』叢書22.「パラケルススの薔薇」。 先日読了したアンソロジー『ダブル/ダブル』に 「権利の問題...

調べ物をしていて、ふと、この本にボルヘスの未読の小説が 収録されていることを思い出したので 古書を購入(良心的価格でした、ありがたや……)。 ボルヘス自身の編纂による 『バベルの図書館』叢書22.「パラケルススの薔薇」。 先日読了したアンソロジー『ダブル/ダブル』に 「権利の問題で採録できなかった」という 「August 25」(1983年)は、 こちらに入っていた(更にありがたや……)。 ---------- ■一九八三年八月二十五日  深夜、宿泊するホテルに帰ったボルヘスは  フロントで記帳を求められ、  首を傾げつつページに目を落とすと、  真新しいインクの跡が自らの名を綴っていた。  部屋は19号室。  宿の主は、よく似た別の客が既にいるが、  あなたの方が若いようだと告げる……。  語り手ボルヘス(1899/08/24-1986/06/14)が  「きのうで六十一になった」(p.17)と述べているので、  彼にとっての日付は1960年8月25日のはずだが、  年老いた分身は  「君はきのうで、八十四になったことになる」(同)  と応じる、23歳上の先輩(笑)なのだった。  忘れっぽいドゥルイ氏が  繰り返しフロントで自身の部屋番号を訊ねるという、  ブルトン『ナジャ』(1928年)  終盤の挿話(白水uブックス,p.156-157)を想起。  種村季弘曰く(『吸血鬼幻想』p.190)  > たえず自分の住むべき部屋の番号を忘れ、  > 同一性から排除されるドゥルイ氏は、  > 同一性の追求に急なあまり窓から転落し、  > 血まみれの「人間とは思えない」ような  > (つまり吸血鬼そっくりの)姿で立ち戻ってくる。  そう言えば、1960年の後輩ボルヘスも  1983年の先輩ボルヘスも、  二人ながら幽霊めいていないだろうか?  ついでにもう一つ、部屋の番号から、  幸福で、何もかも上手く回り過ぎているため、  却って人生の主役である自分が  その場に不要であるかのように錯覚し、  異様な行動を取る主婦の物語、  ドリス・レッシングの「十九号室へ」(1963年)を  思い出したが、これは無関係か? ---------- ■パラケルススの薔薇  錬金術士パラケルススこと  テオフラストゥス・フォン・ホーエンハイム(1493-1541)  の許に弟子入り志願者がやって来たが……。  薔薇は灰になり、灰から蘇る。 ---------- ■青い虎  1904年末にガンジス川のデルタ地帯で  青い虎が発見されたとのニュースを読んだ「私」は、  更に、そこから離れた村にも  青い虎の噂があると聞いて旅立ち、  山に入って無数の小石を発見した。  石は分裂し、増えたり減ったり。  村人はそれを「子を産む石」と捉えて、  無限に増殖する可能性を恐れていた……。  この世の理が通用しない、言わば彼岸に存在する物質が  我々の世界に顔を覗かせる恐怖は、  「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」と  共通するか。 ---------- ■疲れた男のユートピア(再読)  『砂の本』で読んだはずだが、記憶になかった、  何故だ(笑)。  未来へタイムスリップした  エウドロ・アセベド(70歳)は  名前を持たない男と書物を巡る対話を交わす。  言語は引用のシステムであり、我々には最早、  引用しか残されていないのだった。  そう言えば岡崎京子も  『ジオラマボーイ★パノラマガール』あとがきで、  > 今やわたくし達のつたない青春はすっかり  > TVのブラウン管や雑誌のグラビアに吸収され、  > つまらない再放送をくりかえしています。  > そしてわたくし達の出来ることときたら  > その再放送の再現かまねっこ程度のことです。  と書いていたっけな。  ブラウン管とは懐かしい(笑)。 ---------- ■等身大のボルヘス  1973年4月に  ブエノスアイレスの国会図書館で行われた  作家マリア・エステル・バスケスによる  ボルヘスへのインタビュー音源からの書き起こし。  成育歴と作家としての信条について。 ---------- ■年譜・書誌

Posted by ブクログ

2014/10/12

[ 内容 ] [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted by ブクログ

2014/03/12

「疲れた男のユートピア」がよかった。たとえそんな世界はどこにもないとしても。 カントール、ラッセルの数学に興味があったようだ。 度を超した虚栄心...巧妙に隠しているだけ。そんな素直さがいい。

Posted by ブクログ

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