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ローマ人の物語(34) 迷走する帝国 下 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/08/28 |
JAN | 9784101181844 |
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ローマ人の物語(34)
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商品レビュー
3.8
38件のお客様レビュー
73年間で22人の皇帝が、しかもそのほとんどが謀殺により代替わりする三世紀の後編。 ローマ皇帝が敵国に捕らえられるという前代未聞の国難により、ローマ帝国は覇権を失い、ガリア帝国とパルミラ王国がローマから分離する。 いよいよ帝国も崩壊かと思われたが、生え抜きの軍人皇帝アウレリアヌ...
73年間で22人の皇帝が、しかもそのほとんどが謀殺により代替わりする三世紀の後編。 ローマ皇帝が敵国に捕らえられるという前代未聞の国難により、ローマ帝国は覇権を失い、ガリア帝国とパルミラ王国がローマから分離する。 いよいよ帝国も崩壊かと思われたが、生え抜きの軍人皇帝アウレリアヌスにより、なんとか失地回復に成功する。 だが、そんな皇帝でさえ謀殺により5年で失われてしまうのが、このときのローマだった。 5ヶ月の皇帝空位の後、75才のタキトゥスが8ヶ月で老衰、6年戦地を転々としたプロブスは謀殺、メソポタミアを回復したカルスは1年で事故死、ヌメリアヌス1年で謀殺、カリヌス2年で謀殺。 もはや何故これで政体として維持し続けていられるのか疑問だが、次の皇帝でようやく21年間の継続に成功する。 しかし、終わらない外敵の侵入により生活を脅かされた人々は、もはや国ではなく宗教に救いを求めるようになっていた。 外敵にはどうにか対抗できていたローマが、内なる敵にどう立ち向かうのか。 キリスト教との21年が始まる。
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もう皇帝の名前も覚えられない! それほど次から次に変わる皇帝たち。 時代に翻弄されたと言うべき皇帝たちで、なんか悲哀を感じざるおえない。 とくにアウレリアヌスとプロプスは時代が違えば名将と称えられたのではないか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2~3年、またはそれ以下の年数で次々に代わる皇帝。 しかし、なりたい人が部下の推薦という形で立候補しては、謀殺されてしまうことの繰り返しに、一体帝国に人材はいないのか、と思うほどだったが、この巻でようやく能力とやる気に恵まれた皇帝が現れる。 なのに。 やっぱり謀殺されるのだ。 やる気があって才能のある人は、往々にして厳しい。 自分に厳しいだけではなく他者にも厳しいとなれば、それに応えることのできない人には鬱屈が募る。 だから謀殺される。 そうなると今度は、殺されないように人気取り政策に走ることになる。 小手先のそんな政策では帝国の危機は乗り切れない。 能力のない皇帝はやっぱり殺される。 もちろん謀殺されなかった皇帝もいる。 やる気も能力もあったが、疫病に斃れた人や、戦地に向かう途中に高齢で斃れた人や、落雷が直撃した人。 ここまでくると、これはもう神の意志かと思う人が出てきてもしょうがない。 でも、まだ何とか帝国が帝国として存在できていたのは、辛うじて社会的なシステムが生きていたことと、志半ばで倒れたと言っても全力でローマ帝国の再興に努力した皇帝のおかげというのは確かにある。 そしてついに、迷走する三世紀最後に、20年もの長きにわたって帝位に就くことができた皇帝が現れる。 彼の出現は帝国にとって吉だったのか、凶だったのか。 次巻が楽しみである。
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