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悲しみの歌 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1981/06/25 |
JAN | 9784101123141 |
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悲しみの歌
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商品レビュー
4.4
79件のお客様レビュー
あまりにも純情で無垢…
あまりにも純情で無垢な主人公。しかし、この世では純情では生きていけない。この作品に出てくる人々は、それぞれ汚かったり、優しかったり、怖かったりします。しかしみんな何処か自分勝手で、そしてとても悲しい人たちです。(主人公を含めて)→だと私は思いました。しかし、それでも人に対する素直...
あまりにも純情で無垢な主人公。しかし、この世では純情では生きていけない。この作品に出てくる人々は、それぞれ汚かったり、優しかったり、怖かったりします。しかしみんな何処か自分勝手で、そしてとても悲しい人たちです。(主人公を含めて)→だと私は思いました。しかし、それでも人に対する素直な気持ちを消したりしない主人公には泣けました。
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捕虜で生体解剖をおこ…
捕虜で生体解剖をおこなった医師と正義をかかげ医師を追い詰める新聞記者。海と毒薬とも少し繋がってる?
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2024.2.17 読了。 「海と毒薬」の続編であろう作品。 新宿でひっそりと開業している医者・勝呂は戦時中、外国人捕虜の人体実験に関わったことがある元戦犯であり、現在も色々な事情を持つ女性たちの堕胎手術も行っていた。 ある時、新聞記事の折戸から「戦犯について」の取材を受け...
2024.2.17 読了。 「海と毒薬」の続編であろう作品。 新宿でひっそりと開業している医者・勝呂は戦時中、外国人捕虜の人体実験に関わったことがある元戦犯であり、現在も色々な事情を持つ女性たちの堕胎手術も行っていた。 ある時、新聞記事の折戸から「戦犯について」の取材を受ける。 そして謎の外国人ガストンは末期の癌患者の老人を助けようと勝呂の元を訪れた。 落第しそうな学生がなんとか教授から単位をもらおうと悪巧みをしたり、いつの日かの夢のため夜の街で男たちを騙して食費を浮かせる女……様々な人間が行き交う新宿で生きる人々たちの物語。 読んでいて重く辛く、そして考えさせられる作品だった。「海と毒薬」も相当に重いテーマを扱っているが大河に飲み込まれるように逆らえぬ戦時中のことが尾を引いて人々の人生を狂わせていくツライ物語だった。 「神を信じていない」という勝呂の前に見返りを求めず目の前にいる悲しみを抱えた人をなんとか笑顔にしようとしているガストンの姿は最初は健気に見えたが、読んでいくと悲しみも苦しみも包んでくれそうな光を放つ人物で、神というものが存在するのであれば苦悩や苦痛、様々な困難を与える者よりも慈悲深いガストンが神であれば良かったのに…などと思えてしまった。 ガストンが傍にいて助けを求める人々もいるのに自分で自分の首をどんどん締め付け追い詰めてしまう勝呂の姿が苦しかった。 40年程前に書かれた作品なのに、生と死の問題や正義と悪の関係、誹謗中傷がどれほどの刃になるのかなど様々な問題が描かれ、しかしそれらの問題が現在も何も変わらず解決していると言えない世の中だと感じて気持ちが沈む。人が人を救うことはかなり困難であり、また人が人を裁くということも困難であると突き付けてくる作品だった。読んでいて辛く苦しい作品だったが読んで良かったと思う。 みんながガストンのように生きることが可能であったら「神がいる」といえるのかもしれないとも考えてしまうがガストンのような人が利用され傷付き、哀しみを背負う世界が現実なんだと思うとやりきれない気持ちになる。
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